- 2026-6-13
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- 3DPrinting, 3Dプリンティング, concrete, コンクリート, テクノロジー, 建築・建設
最大100m級の建物に対応するクレーン搭載型コンクリート3Dプリンター
オーストラリアの建設ロボティクス企業 Luyten は、高層建築の自動化と施工効率の向上を目的に、タワークレーンをコンクリート用3Dプリンターへ変える「Ascend Series A27(以下 Ascend A27)」を発表。最大100m級の建物を対象に、都市部の住宅不足や人手不足、建設廃材の削減に挑む新技術である。

Ascend A27は、建設現場で広く使われているタワークレーンに、コンクリートを積み重ねるためのプリントヘッドを組み合わせた建設用3Dプリンターである。従来の建設3Dプリント技術では、地上に設置した大型フレームやレールの上を装置が動く「ガントリー型」が主流だったが、この方式は低層住宅や小規模施設には向いている一方、装置そのものの高さに制限されるため、高層建築への応用には課題があった。
同社はこの制約に対し、新しい装置を現場に追加するのではなく、すでに高層建築で使われているタワークレーンをロボット化する方法を選択。Ascend A27は、クレーンのアームから吊り下げたプリントヘッドで専用コンクリートを一層ずつ押し出し、デジタル設計データに沿って壁や構造部材を造形する。対応する高さは最大100m、作業半径は最大45mとされ、単純計算では30階前後の建物にも届く規模である。

材料には、Luyten独自のプリント用コンクリート「Ultimatecrete」が用いられる。通常のコンクリートは、流れやすさ、固まりやすさ、積み重ねた層同士の接着性を同時に満たすことが難しいが、建設3Dプリント技術では、ノズルから出るときには滑らかに流れ、積み上げた後は形を保ち、上下の層がしっかり結びつく必要がある。Ultimatecreteは、こうした多層造形に合わせて調整された材料として開発されている。
また、Ascend A27にはAIを活用したソフトウェアも組み込まれている。これは、どの順番でコンクリートを積み上げるか、プリントヘッドをどのように動かすか、施工が予定通り進んでいるかを管理する役割を持つため、単にクレーンにノズルを付けた装置ではなく、設計データ、材料、ロボット制御を組み合わせたデジタル建設システムとして機能する。

一方で、実用化に向けた課題も残されている。プリントヘッドはクレーンから吊り下げられるため、風や移動時の揺れが位置精度に影響する可能性がある。また、高層建築では構造安全性、建築基準、材料認証、施工品質の証明が不可欠であり、発表された仕様だけで直ちに一般的な高層ビル建設へ広く使えるとは言い切れないため、実際の造形速度、寸法精度、耐震性や長期耐久性の検証が今後の焦点となる。
それでも、Ascend A27の存在意義は大きい。これまで建設用3Dプリンターの主な対象は、平屋住宅、小規模建築、実験的な構造物が中心だったが、Ascend A27は、建設3Dプリント技術の対象を都市部の集合住宅、商業施設、産業施設、インフラ整備へ広げる可能性を示している。
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