3Dプリント廃材を巨大な音響彫刻に

3Dプリンターから生まれた廃材を材料に、建築・音楽・デジタル設計を融合した循環型アート作品へ

建築家Hyojin Kwon率いるデザインスタジオ Pre- and Post- は、廃棄されたPLA製3Dプリント造形物を再利用し、音・光・建築を融合した大型インスタレーション「Ninefold: A Distributed Resonant Field」を制作した。

建築家Hyojin Kwon、打楽器奏者・作曲家Jeremy Muller、建築家・素材研究者Misri Patelによる「Ninefold: A Distributed Resonant Field」は、廃棄されたPLA製3Dプリント造形物を再利用して制作された大型インスタレーションで、9つの造形物から構成され、それぞれが彫刻であると同時に、特定の周波数で共鳴する「音響装置」として機能する。
材料には、ファブリケーションラボなどから回収したPLAの廃材を細かく粉砕してペレット状にし、新しい材料と混合。ペレット式の大型3Dプリンターを使って、新たな作品へと生まれ変わらせた。

再生材料に生じる色むらや透明度の違いをあえて隠さず、材料が一度使われた痕跡として作品の表現に取り込んでいる点も特徴で、9つの造形物は、自然界に見られる模様の形成を数学的に再現する「反応拡散(Reaction-Diffusion)」を応用したコンピュテーショナルデザインによって設計されており、それぞれ異なる形状を持ちながら、共通したデザインの規則性を備えている。
さらに、各作品は異なる周波数に対応する共鳴体として設計されており、鑑賞者が作品の間を歩くと、位置によって音の強さや重なり方が変わり、半透明の素材を通過する光の見え方も変化する。

3Dプリンターは必要な部分に材料を積み重ねる製造方法である一方、普及に伴い、造形失敗品やサポート材などの廃棄物をどう循環させるかも重要な課題となっている。使い終えた3Dプリント造形物を回収・粉砕し、再び3Dプリンターの材料として利用するNinefoldは、廃棄PLAを単にリサイクルするだけでなく、その素材が持つ色や質感まで新たな価値として活用した事例である。


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