3Dプリントの計算負荷を減らす新技術

RWTHアーヘン工科大学が、複雑な3Dプリントデータの処理時間とメモリ使用量を抑える技術を無償公開

ドイツのRWTHアーヘン工科大学デジタル積層造形研究所は、産業用3Dプリンターの造形準備に必要な計算時間とメモリ使用量を削減するため、幾何計算ライブラリ「DAPComputationalGeometry」をオープンソースで公開。複雑化する3Dプリント技術を、より速く低コストで活用するための基盤となる。

3Dプリンターは、3Dモデルをそのまま造形できるわけではなく、造形前には部品の配置や向き、サポート材の位置、モデルを薄い層へ分割するスライス処理、レーザーの走査経路など、多くの計算が行われる。近年は大型部品や格子構造、多数の部品を一度に造形するケースが増え、これらの計算に膨大なメモリと処理時間が必要になることが課題となっている。
今回公開された「DAPComputationalGeometry(DAP-CG)」は、こうした計算を効率化するためのソフトウェアライブラリで、複雑な形状データを必要な情報だけに整理し、不要な頂点や重複する形状を減らすことで、処理するデータ量そのものを削減する。例えるなら、細かな道まで描かれた地図を、目的地まで最短でたどり着けるよう整理し直すイメージだ。

研究チームによる検証では、部品配置(ネスティング)やスライス処理、レーザー走査経路の計算に必要なメモリ使用量を従来の約5分の1まで削減できたという。これにより、高性能サーバーが必要だった処理を一般的なPCでも実行しやすくなり、クラウド利用時の計算コスト削減も期待される。
さらに、このライブラリはオープンソースとして公開されており、研究機関だけでなく企業も無償で利用・改良できる。


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