3Dプリント技術を活用したペット専用手術ラボ

VCAアニマルホスピタル、3Dプリント技術を活用した整形外科手術専用ラボを開設

米国とカナダで 1,000 を超える動物病院を運営する VCA Animal Hospitals(VCAアニマルホスピタル)は、米国オレゴン州クラッカマスにあるVCAノースウェスト獣医専門病院において、最新の3Dプリント技術を活用した整形外科手術専用ラボを開設した。この施設は、ペットの整形外科的疾患に対する治療を革新し、回復を促進し、生活の質を向上させることを目指している。

犬の股関節形成不全、肘関節形成不全、脚の角度変形など、ペットに多く見られる整形外科的疾患は、痛みや関節炎、可動性の低下を引き起こすことがある。特に大型犬や若い動物に多く見られるこれらの疾患は、従来の手術では長期の回復期間を要することが少なくない。
新たに導入された3Dプリント技術を活用することで、ペット一匹一匹の解剖学的構造に合わせた正確でカスタムフィットのインプラントや手術ガイドを作成することが可能になり、以下のような医療サービスを提供できる。

  • 個々のペットの身体に最適なインプラントを設計し、完璧なフィット感と機能性を確保する。
  • 手術ガイドを用いることで、手術の正確性を向上させ、合併症のリスクを低減し、回復期間を短縮する。
  • ペットに合わせたカスタマイズされた治療法を提供することで、より早い治癒と長期的な良好な結果を促進する。

VCAアニマルホスピタルのケアチームは、実際の手術前にシミュレーションを行い、現場でペットに最適化されたツールや器具を3Dプリントすることができる。また、CTスキャンを活用し、ペットの解剖学的構造を3Dモデルで再現し、手術中に使用するだけでなく、学生やインターン、ケアチーム、飼い主向けの教育ツールとしても役立てている。
このような3Dプリント技術の応用は、ペットの医療分野では新しいが、すでに人間の医療では広く認知されており、術前計画の向上や手術時間の短縮、結果の改善、コスト削減などの利点が認められている。従来は困難だった複雑な手術も、この技術を活用することで、より高い精度で実施できるようになった。従来のX線では完全に把握できなかった骨の立体的な構造を理解することが可能となり、より正確な手術計画と実行が可能になる。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る