金型製造を射出成形から3Dプリンティングへ

射出成形から3Dプリンティングに移行し、金型製造を4週間から14時間に短縮

英国に本拠を置く3Dプリンタおよび樹脂メーカー Photocentric は、同社の光造形方式3Dプリンタ「LC Magna」を用いて、アルミ金型に匹敵する射出成型用金型の製造に成功した。関連記事:大容量LCD 3Dプリンタ「LC Magna」

イタリアのスポーツ用品靴メーカー Grisport は、これまで靴製造に必要な金型にアルミ金型を使用していたが、より早く新製品を市場に流通させたいという課題を解決するため、Photocentricの光造形方式3Dプリンタ「LC Magna」を導入し、同社の新材料である「HighTemp DL401」を使用して金型を製造することで、流通の迅速化に加えて、コストの削減を実現。また、限定版やカスタム製品の生産にも対応した。

HighTemp DL401でプリントされた金型

金型製造におけるランニングコストは、従来の約80万円から約4万円まで大幅に削減。高性能の高温プラスチックを使用して造形された射出成形用金型は、アルミ金型の性能に匹敵し、低コストで迅速な大量生産を可能にした。

LC MagnaとHighTemp DL401を用いて造形される金型は、従来の金型設計をそのまま3Dプリンティング技術に置き換えることができるため、リードタイムを短縮し、ランニングコストの削減が可能であることを実証した。


LC Magna

Grisport社の研究開発責任者であるGiovanni Grigolato氏は次のよに述べている。
「3Dプリンティング技術は、私たちの靴などの製品や新モデルを市場に送り出す方法を、大きく変えました。これまで、射出成型で金型を製作していた際、設計から最終製品になるまでに約4か月かかっていましたが、LC Magnaで金型を3Dプリントした場合、約1か月半ほどで最終製品が完成します。今回、靴の金型に使用したPhotocentricの新しい材料HighTemp DL401は、PUの射出に必要な高温に到達し、安定した温度を維持できるため、金型の製造に非常に優れています。3Dプリンターを使用して社内で金型を製造することは、私たちにとって革命的です」


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