FormlabsとMarkforgedが合併?!

Markforged創業者、自身のSNSでFormlabsとの合併を示唆する投稿を行う

米国マサチューセッツ州に本拠を置く産業用3Dプリンタメーカー Markforged の創業者であり元CEOのGreg Mark氏(以下マーク)は、自身のSNSへの投稿で、同じマサチューセッツ州に本拠を置く3Dプリンタメーカー Formlabs との合併に関する投稿をした。
マークはまた、Markforgedについて否定的なコメントをし、同社が「衰退スパイラル」に陥っていることを示唆した。

確かに、Markforgedは2021年に特別目的買収会社との合併を通じて上場して以来、財務上の苦境に直面している。総売上高は2020年の7190万ドル(約105億6千万円)から2021年の9120万ドル(約134億円)まで増加し急成長を示したが、その後は減少が続き、ピーク時の1億100万ドルから9930万ドルまで落ち込んだ。粗利益も同様に、2021年の5,290万ドル(約77億7千万円)をピークに4,660万ドル(約68億4千万円)まで減少し、利益率の低下を示した。最も顕著なのは純利益で、2020年の390万ドル(約5億7千万円)の黒字から2021年には2540万ドル(約37億3千万円)の大幅赤字となり、その後1億ドル(約147億円)にまで悪化した。

このような経済的低迷にも関わらず、Markforgedは業界内で独自の地位を維持し続けており、同社はいくつかの革新的な3Dプリンティングプロセスを開発するとともに、革新的なソフトウェア エコシステムと堅牢な再販ネットワークを構築してきた。
2014年に連続繊維フィラメント3Dプリンティングを発明した同社は、2022年に金属バインダージェッティング企業 Digital Metal を買収している。
関連記事:MarkforgedがDigital Metalを買収

マークが示唆する経営課題を外部から感じ取ることは難しい。しかし、現在のマクロ経済情勢が多くのAM企業、特に上場企業に悪影響を及ぼしていることは間違いない。もしマークが主張するような衰退のスパイラルに陥っているのであれば、同社の株価に大きな影響を与えることは確実であり、Formlabsは理想的な合併候補となりうる。

非上場企業であるFormlabsの財務状況は公開されていないが、ある試算では、2022年の売上高が8250万ドル(約121億円)となっている。今年はレイオフを実施するなど、Formlabs自身の経済状況も良好とは言えないが、その影響の規模は比較的小さいと見積もられている。ダブル・ユニコーン企業であるFormlabsは、デスクトップ型SLAプリンタや低価格のSLSプリンタを普及させるなど、業界に大きな影響を与えたことは間違いない。

ボストンに本社を置く両社は、革新的なソフトウェアによって駆動する低価格のハイエンド3Dプリント技術に注力しているが、両社の製品は重複しておらず補完性が高い。
2023年初頭に提出された「Form 8K」は、Markforgedの財政的な負担を軽減するための措置であることを示唆しているが、多くの点において、MarkforgedとFormlabsの組み合わせは非常に理にかなっているとしている。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る