大規模3Dプリント住宅コミュニティ初のモデルハウスを公開

ロボットの群れがオースティン市外で世界最大の3Dプリント住宅コミュニティを建設中

高度な建設3Dプリント技術を開発する米国テキサス州の建設3Dプリント企業 ICON と、全米26州で住宅建設を手掛けるハウスメーカー Lennar(レナー)は、コペンハーゲンとニューヨークを拠点とする建築事務所 BIG-Bjarke Ingels Group(以下 BIG)と協力して、昨年発表した大規模な3Dプリント住宅コミュニティ「The Genesis Collection」の第1号となるモデルハウスを公開した。
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このコミュニティは、テキサス州オースチンの北、ジョージタウン市のマスタープラン・コミュニティである「Wolf Ranch」の開発地域に位置しており、住宅壁の建築には、耐久性と環境に配慮した持続可能な大規模建設能力を有するICONの3Dプリント技術をベースに建設が進んでいる。
現在も様々なかたちで80軒以上の建設が進行中で、今回発表された「Rune」は、その第1号のモデルハウスとなっている。

ICONとレナーによって3Dプリントされるこの100軒の住宅コミュニティは、BIGと共同設計による現代的で洗練されたテキサス風の外観を持ち、この高度な建築技術を用いた建物は、エネルギー効率が高く嵐や洪水にも強い特長がある。このプロジェクトが迅速かつ大規模に実現されるのは、ICONの巨大な「Vulcan」ロボット群によるもので、このシステムにより従来の新築住宅に比べて材料の廃棄量が少なく、自由度の高いデザインを実現している。

この3Dプリント住宅コミュニティには8つの間取りと24のデザインがあるが、現在レナーが販売しているのはその6タイプのみで、これらの住宅には3〜4つのベッドルームと2〜3つのバスルームを備えている。また、屋根には太陽光パネルを備え、レナーのコネクテッドホームパッケージには、各種スマートシステムや高度なセキュリティパッケージが備わっている。
既に一部の住宅が販売済みで、2023年9月に最初の入居を予定しているという。

ICONの共同創設者兼CEOであるジェイソン・バラード氏は「ここで目撃しているのは、これまでの歴史上で初めて、ロボットの群れがコミュニティ全体の住宅を建設している光景です。しかも、ただの住宅ではなくあらゆる面で優れた住宅であり、デザイン、強度、エネルギー性能、快適性、耐久性が向上しています。将来的には、ロボットやドローンが地域、町、そして都市全体を建設することになるでしょう。そして私たちはウルフランチコミュニティを、ロボットによる大規模な建築が始まった最初の場所として振り返ることになるはずです。まだまだ道のりは遠いですが、この出来事が世界の住宅問題に取り組む方法のひとつとして、希望に満ちた転機となると信じています」と述べている。


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