3Dプリント部品を採用した高級スポーツカー「DBR22」

アストンマーティン、3Dプリント技術でリアサブフレームを再現した新型スポーツカー「DBR22」を発表

イギリスを代表する高級スポーツカーメーカー Aston Martin(アストンマーティン)は、3Dプリントされた複数のアルミニウム部品を接着し構成されたリア・サブフレームを搭載した新型スポーツカー「DBR22」を発表した。

限定モデルなと「DBR22」は、アストンマーティンのカスタム&ワンオフ車専門部門であるQ部門の10周年を記念して開発されたモデルで、カーボンファイバー製のボディに先代のレーシングカーを彷彿とさせるラインが施されており、5.2リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力705ps、最大トルク553lb-ftを発揮する。
そしてこの車両のリア・サブフレームには、3Dプリントされた複数のアルミニウム部品を接着した支持構造が組み込まれており、大幅な軽量化が図られているという。
3Dプリント技術によって構成されるサブフレームは、世界最速の3Dプリント自動車「Czinger 21C」を開発する米国ロサンゼルスのスタートアップ Divergent Technologies(以下 ダイバージェント)によって製作されている。
関連記事:3Dプリント製ハイパーカー「Czinger 21C」

ダイバージェントでは、DAPS(Divergent Adaptive Production System)と呼ばれる、従来の自動車生産工程に代わるエンドツーエンドのハードウェア・ソフトウェア組み立てプラットフォームを中心に展開されており、DAPSは、3Dプリンティングとジェネレーティブデザインの組み合わせにより、同じ機械で複数の異なる車種を生産することができる。

ダイバージェントは、協業している相手先ブランド名製造(OEM)のほとんどを公にすることができないとしているが、CEOのケビン・ツィンガー氏によれば、同社の顧客には世界の自動車OEMグループ上位10社のうち8社が含まれているという。
ダイバージェントは、SLMソリューションズの12レーザー金属3Dプリンタで部品をプリントし、それを独自のロボットセルで特殊なテープ材を使って組み立てている。同社の子会社である Czinger Vehicles は、3Dプリント製ハイパーカー「Czinger 21C」に次ぐモデルとしてクーペとSUVを発売する予定で、車両生産のためのマイクロファクトリーを世界各地に建設していくことを計画。同社はこの技術とビジネスモデルにより、約2億5,190万ドル(約343億円)の資金を調達している。

このリア・サブフレームについてアストンマーティンは、「3Dプリントは、システムの剛性を下げずに軽量化を実現することが可能となるため、超低容量モデルを必要に応じて作るのに最適な方法である」と述べている。


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