3Dプリントと射出成形の利点を活かしたハイブリッド技術

フラウンホーファーIPAは3Dプリンタと射出成形を組み合わせたハイブリッド技術を開発

製造業・サービス業における組織的・技術的課題に解決策を見出すための研究機関フラウンホーファーIPA(Fraunhofer Production Engineering and Automation)の研究チームは、3Dプリント技術と射出成形の利点を組み合わせた、新しいハイブリッドプリントプロセスを開発した。

小ロットでカスタマイズ性に特化した3Dプリント技術と、低価格&大量生産に適した射出成形技術の両方の利点を活かした「Additive Freeform Casting」のプロセスは、はじめにPVA(水溶性3Dプリント材料)とFDMプロセスを使用して、成形用のシェル(金型)を3Dプリント。
次に、3Dプリントされたシェルにポリウレタンまたはエポキシ樹脂を充填。シェル内に充填されたポリウレタンは3分程度で乾燥するため、硬化された成形品を水に入れ、PVA材料でプリントされたシェル部分を除去する。

この技術により、金型の準備から成形までを一つの機械内で完結するため、気泡の発生しない複雑な形状の樹脂成型部品を短時間で効率よく製造することができる。

研究チームは、熱硬化性樹脂を鋳造することができるこのプロセスを利用し、電気絶縁部品などセキュリティエレメントに必要なフォームや室内装飾品の製造などに活用できることを提案している。

このプロジェクトはまだ初期の研究段階であり、フラウンホーファーIPAは現在、この研究の実用化に向けた業界パートナーを募集している。


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