3Dプリント後に形状変形可能なフィラメント登場

3Dプリント造形後に形状のカスタマイズ可能な3Dプリンタ用形状記憶フィラメント『SMP55』

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キョーラク株式会社と株式会社SMPテクノロジーズは、人体に優しく医療・教育分野で使用可能な形状記憶フィラメント『SMP55』を共同開発。

「SMP55」は、55℃以上に温めることで軟化するため、3Dプリント後の造形物を容易に形状変形することができる。変形を加えた造形物は、変形後に再び55℃以上に温めることで、元形状に回帰する性質を持つ特殊フィラメントで、SMPには形状記憶特性だけではなく生態適合性があり、人体に優しい素材として「メガネ」「ギプス」「注射針」「下着」など直接肌に触れる製品に適用することができる。

SMP55-filament-5SMP55の造形物(右)、変形させた形状(左)

SMPフィラメントの特性

  1. 3Dプリンターで造形された形状を記憶する【元形状】
  2. お湯などでガラス転移点以上に温めると、やわらかくなって形を変えることができる(冷やすとそのまま固定)【変形】
  3. もう一度お湯で温めることで、造形された元の形状に戻る【変形】→【元形状】

今回発売される『SMP55』は、ガラス転移点55℃のお湯またはドライヤーによる加熱で、軟化と形状記憶特性を発現。

このSMPフィラメントを用いれば、3Dプリント後の形状をカスタマイズして様々な形状にフィットさせることや、3Dデータが作れなくても1つのデータから複数の形状を作り出すことが可能になります。この特徴を活かし、将来的に病院・介護施設や学校などの教育現場などに3Dプリンターの導入が進んだ際、3Dデータ作成技術のない担当者や生徒が3Dプリンターを扱うハードルを下げ、3Dプリント文化の普及にも繋がると期待している。
これまで3Dスキャンなどからオーダーメイド品を作っていた義手・義足などへの活用をはじめ、医療分野での使用にも期待が高まっている。同製品の開発に協力する慶應義塾大学では、既に医療・看護・介護の現場での実用化に向けた検討を進めている。

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形状記憶フィラメント『SMP55』詳細

造形条件

  • 造形温度:PLA同程度(約200℃)
  • 層の融着が非常に強力
  • 収縮はほとんどない(PLA同等)
  • 造形時に臭いが発生しない
  • 造形面のヒートベッドは不必要
    ガラス、マスキングテープ、ビルドタックに良好に定着

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