3Dプリンタで人間の耳を複製

米国の研究チームが、人間の耳を3Dプリンタでリアルに再現する方法を開発

米国のワイル・コーネル医科大学コーネル・エンジニアリング大学の研究者は、最先端の組織工学と3Dプリンティング技術を用いて、見た目も感触も自然な人間の耳のレプリカを作製する技術を完成させた。

従来の方法では、患者の肋骨から採取した軟骨を使って耳を再現するのが一般的であったが、この方法は痛みと傷跡を伴うものであった。しかし、3Dプリンティング技術を用いたこの新しい方法は、明確な解剖学的構造と正しい生体力学的特性を備えた人間の耳のレプリカを造ることができる。

研究チームは、免疫拒絶反応を引き起こす可能性のあるものを取り除いた滅菌動物由来の軟骨を、人の耳のデータに基づいて3Dプリンタで作製した複雑な耳型の足場に装填。軟骨の小片は内部補強材として機能し、足場内に新しい組織を形成させる。
その後3ヶ月から6ヶ月の間に、らせん状のリム、リムの内側にある “アンチヘリックス “リム、中央の円錐形のボウルなど、耳の解剖学的特徴を忠実に再現した組織を含む軟骨に成長させる。

人の耳のデータに基づいて3Dプリンタで作製された複雑な耳の足場

3Dプリント技術を用いて成形された耳は、抵抗は少ないものの、天然の耳に匹敵する柔軟性と弾力性を持つことが示された。チームを率いるスペクター博士は、患者のもう片方の耳から採取したヒト軟骨細胞を加えて強度を高めることで、この技術をさらに向上させることを計画している。


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