Kickstarterでローンチした3Dプリンタが資金調達停止

新たな3Dプリンター詐欺?! Kickstarterが注目の3Dプリンタに対する資金調達を停止

クラウドファンディングKickstarterでローンチし、安価なマルチマテリアル&エレクトロニクス3Dプリンタとして話題を呼んだNext Dynamics社(ドイツ)の3Dプリンタ『NexD1』が、キャンペーン終了直前でKickstarterからキャンペーン停止の措置を受けた。

Kickstarterで資金提供停止処分を受けた3Dプリンタ「NexD1」は、PolyJet技術をベースとした独自の「DigiJetテクノロジー」により、マルチマテリアル(カラー)、3Dエレクトロニクスプリントを高速・高精度に実現する3Dプリンタとして期待され、Kickstarterにて目標額を大きく上回る資金調達(停止直前までの調達額は€363,994)に成功していたが、一部のスーパーバッカーやメディアから、公開されている性能の実行性について多くの疑問が投げかけられ、Kickstarter側よりキャンペーン停止の処分を受けた。

同機を開発するNext Dynamics社はその後、NexD1の性能を証明する証拠として公開した動画(下記リンク動画)やサンプルが捏造された物であるとして更に炎上。
下の動画では、内部サポート材が無い状態で積層されいることから、造形物を一定間隔で切断~撮影し、逆再生させてものであると指摘されている。

Next Dynamics社はNexD1の基本性能を次のように紹介していた。
NexD1には独自に開発した200個の5μm噴射ノズルを備えた6角形のプリントヘッドが搭載されており、6つのカートリッジストレージシステムから、環境に優しい低コストの材料(硬質ベース樹脂、導電性ナノマテリアル、可撓性、着色、透明、無毒性水溶性サポート材)など6つのマテリアルを一度にプリントして組み合わせた高品質プリントを実現する性能を有している。

しかし、現存するStratasysのJ750やHPのMulti Jet Fusionなど、数千万円~億超えのマルチマテリアルタイプの3Dプリンタでさえ、完全なマルチマテリアル環境を実現しきれていない中、わずか30万円弱(スーパーアーリーバードモデルの価格)でマルチマテリアルやプリント基板にも対応した3Dプリンタを開発するというのは不可能である。

先日、クラウドファンディングや様々な投資機関から40億円という記録的な資金調達を実現しながら破産した、Lilyロボティクス社。同社が開発した全自動追尾撮影機能搭載の最新鋭ドローン「Lily」は、世界各国の大手メディアで紹介されるなど注目を集めたが、実は壮大なプロダクト詐欺だったとされている。
今回のNext Dynamics社もこれと同様、予め計画された詐欺だったのではないかと疑われている。


関連記事

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る