ウクライナに3Dプリント学校を建設

Team4Humanityは戦争で荒廃したウクライナに欧州初の3Dプリント学校を建設

ウクライナおよび国内外のウクライナ人を支援する非営利団体 Team4Humanity(以下 TEAM4UA)は、戦争で荒廃したウクライナの街に、ヨーロッパで初めてとなる3Dプリントによる学校を建設する計画を発表した。

3Dプリント学校のイメージ : image Balbek Bureau

2022年2月にロシアがウクライナへ侵攻して以来、TEAM4UAは食糧品、医療品、衛生用品をウクライナ国民に届けており、現在までに17の州の行政区域で、10万人以上を支援してきた。
現在のウクライナでは、2,000以上の学校がロシアによる攻撃で大きな被害を受けているとされており、ウクライナで失われた教育インフラの追跡調査を行っている団体 Save Schools によれば、700万人以上の子供達が影響を受けているという。

TEAM4UAは、シェルター建設プロジェクト「HIVE」で築いた基盤をもとに、ポーランドと国境を接する西部の都市リヴィウの比較的安全な場所に15台の3Dプリンタを持ち込み、破壊された建物の残骸をリサイクル材料として利用し、建設3Dプリント技術を用いて学校を再建する計画を進めている。

ウクライナに帰国したウクライナ人に関するデータ : image Frontex

TEAM4UAは、自宅を破壊され難民となったウクライナの住民を支援する方法のひとつとして、住宅の3Dプリンティングを提案しているが、リヴィウだけでも1万戸の住宅を建設する必要があり、従来の建築方法で住宅を建設した場合、少なくとも2年の工期が必要とされている。一方、3Dプリンタを用いた建設は、48時間以内にベースとなる住宅を完成させることが可能で、リヴィウの住宅需要を僅か数カ月で満たすことができると考えている。また同団体は、積層造形と他の先端技術を組み合わせることで、ウクライナの生活様式に沿った再建を実現しながら、より良い再建を行う機会を生み出すことができると考えている。

ICE Industrial Servicesの3Dプリントバリケードのモックアップ

Team4Humanityは現在、ウクライナを支援するために3Dプリントを利用した幾つかのプロジェクトを展開しており、今年初めにはチェコの ICE Industrial Services が、新しいコンクリート用プリントヘッドを開発し、破壊された同国の国境基地の再建に利用することを目指している。


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