『VConv-DAE』は不完全な3Dスキャンデータから必要なボリュームを有する3Dオブジェクトを生成
ドイツのザールランド大学とマックス・プランク情報科学研究所の研究チームは、独自のアルゴリズムにより不完全な3Dスキャンデータからデジタル3Dオブジェクトを生成するためのエンコーダーを開発した。
精度の低い3Dスキャナーを利用しスキャンしたデータは、スキャン対象物の表面条件(光沢の有無や複雑なテクスチャ情報等)や、オペレーターの技量により、正確にスキャニングできず、ノイズの多い不正確な3Dオブジェクトが生成される場合がある。
同研究チームはこれらの問題に対処するため、特別なディープラーニングネットワークによりボクセルの占有グリッドを推定し、ノイズの多いデータから自動で容積を予測・補完する深部容積形状学習エンコーダ「VConv-DAE」を開発した。
この学習システムにより、ノイズの多い欠陥スキャンデータでも一定の精度を有するデータへと自動変換させることが可能となるため、安価なスキャンデバイスから生成された不完全なデータから一定レベルの3Dオブジェクトを生成することが可能になる。
また更にこのシステムの精度が向上すれば、簡易的に生成された3Dスキャンオブジェクトから、利用者が必要とする形状を予測し、精度の高いデータに置き換えるなど、様々なデータの取得方法を提案してもらうことができるようになる。
Kinectのような安価なデバイスで生成された不完全なスキャンデータからもオブジェクトの生成が可能。
同研究チームは将来的に、実世界のあらゆるオブジェクトを簡単かつ迅速にキャプチャし、デジタル化することを目指している。
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