東大研究者らが新しい4Dプリンティング手法を開発

東京大学の研究者らがより効率的で持続可能な製造のための新しい4Dプリンティング手法を開発

東京大学らの研究グループは、熱収縮性のシートに折紙のパターンを印刷する技術を開発し、瞬時に複雑な折紙の形状を自動で変形させることに成功。この技術は従来の自己折り技術と比べて、解像度が1200倍以上高く、十万本以上の折り目や数万個の面を持つ折紙も自動で折り上げることが可能。この研究の進展により、高度な立体形状も2次元の製造プロセスと自動変形で効率的に制作できることが確認された。
プレスリリース

この技術の背景には、3Dプリント技術の発展や、形状や機能の時間的変化を取り入れた4Dプリント技術が注目されてきたことがある。本研究グループは、これらの技術とUVプリンタの組み合わせを活用して、短時間・高解像度のプリントを可能にした。

従来から工学で利用されてきた折紙パターンの自己折り事例

研究過程において、UVプリンタのインクジェットプロセスを使用し、熱収縮シートに折紙のパターンをプリント。シートを一定の温度で加熱することで、緻密な折紙の変形が実現された。この技術の特徴として、露出部の微細な調整により、各折り目の角度を0度から180度まで制御可能であること、そして既存の技術と比べて高解像度での変形が可能である点が挙げられる。

ユーザが自由に入力した3次元形状の自己折り事例

さらに、本研究グループはこの技術を活用した折紙設計ソフトウェアも開発。ユーザーが任意の3次元形状を入力すると、このソフトウェアが自動的に2次元の折紙パターンに変換し、プリント用データを出力する機能を備えており、このソフトウェアを用いることで、高度な設計技術を持たないユーザーでも複雑な折紙の制作が可能となる。

ファッションプロダクト

最後に、この技術の応用例として、プリーツ構造のノースリーブジャケットや、個別に色や模様の異なる花束のギフト、インタラクティブなポストカードなどの製品例を提示。これらのアプリケーションは、形状と色彩の両方を同時に実現するこの技術の高いポテンシャルを示している。

インタラクティブなポストカード

本研究は、高度な折紙デザインやファブリケーション技術への大きな一歩を示すものであり、多岐にわたる産業への適用が期待されている。


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