世界初の3Dプリント製スーパーヨット発表

著名なイタリア人デザイナーが世界初の3Dプリント製スーパーヨットを発表 

世界的に著名なイタリア人デザイナー Jozeph Forakis(ジョゼフ・フォラキス)は、ソーラー電力と水素のハイブリッドエンジンを搭載し、反射する「ソーラーウィング」を備えた全長88mの3Dプリント製スーパーヨット「PEGASUS」を発表した。

全長88メートルに達する大型ヨットの建造には、LFAMロボットテクノロジーによる3Dプリンティングが用いられ、船体と上部構造を一体化したネット状の構造体が用いられる。その結果、従来の建造よりも少ないエネルギー、材料、廃棄物、スペースと時間で、高強度で軽量な構造物を作ることができるという。

このユニークな外観は、船首が低く直線的な船体と、水の色や動きと調和するシルバーメタリックの仕上げが特徴であり、この水際の土台が、雲や空を映し出す多層の儚げなガラスの翼を持つ上部構造を支えており、水の色や動きにカメレオン的に調和し、水上においてほぼ「見えない」設計となっている。

未来的なインテリアデザインの中心には、何層にも重なった「生命の樹」が配置されている。これは、生きて呼吸する自然のモニュメントであり、新鮮な食料と空気浄化を提供する水耕栽培の庭の核となるという。この木の根元はロワーデッキの反射プールから浮かび上がり、その周囲には水耕栽培と瞑想のための「禅の庭+瞑想」空間が広がっている。そしてこのツリーは、4つのレベルすべてにおいて垂直に伸び、彫刻的な螺旋階段が添えられている。

オーナー専用の上層階には、広いプライベート・テラスを備えたマスター・スイートが設けられている。マスター・スイートの前方にはアクアリウムスタイルのラッププールがあり、水平に広がる窓は、左舷と右舷のオープンバルコニーに姿を変えることができる。この折りたたみ式バルコニーを備えたオープン・ビーチ・クラブは、天井からトランサムバルクヘッドにかけてのスライド式ガラスパネルで、密閉されたソラリウムにも変身する。

「PEGASUS」は、太陽エネルギーを利用して海水を水素に変換し、船内の燃料電池に長期貯蔵し、その水素を電気に変換してリチウムイオン電池に短期貯蔵するため、稼働時の二酸化炭素排出量はゼロで、航続距離はほぼ無制限になるという。このエネルギー効率の高さにより、「見えない」というテーマは、スーパーヨットの美しさだけでなく、環境に与える影響にも通じている。


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