小児患者に3Dプリンタで作製した薬剤を使用

バルセロナの大学病院が小児患者に3Dプリンタで作製した薬剤の使用を開始

スペイン・バルセロナの公立病院であるヴァルデブロン大学病院は、小児患者に3Dプリントした医薬品を提供する意向であることを明らかにした。アディティブ・マニュファクチャリングは、個人に適した薬剤投与が可能になるだけでなく、キャンディのような外観を持つ半固形薬品の製造に適しており、幼い患者にも安心して利用できる薬剤を提供することができるとしている。

ヴァルデブロン大学病院は医薬品の3Dプリントを行うため、ロンドンの製薬会社 FabRx の協力を得て、アディティブ・マニュファクチャリングによる医薬品や錠剤の製造に取り組んでいる。
このプロジェクトの主な目的は、小児における3Dプリント医薬品の有効性、忍容性、受容性を検証するための試験を開始することで、FabRxが開発したソリューションの統合により同病院は、小児患者のニーズに合わせて化合物の投与量を調整し、あらゆる種類のパーソナライズド・ドラッグを製作しようとしている。

3Dプリントされた薬品は柔軟性に優れ、子どもたちが錠剤の色や味を選ぶことができる。これにより、薬の味わいや魅力が増し、薬に対する心理的な影響を軽減することも期待できる。また、従来の医薬品と異なり、3Dプリントされた医薬品は冷蔵保存の必要がないため、医薬品の輸送が容易になることも特筆すべき点となる。

本試験は、小児科領域における3Dプリンタによる薬剤の臨床試験としては欧州初のものとなり、6歳から18歳の患者約30名が参加して、6ヶ月間に渡り新しい製剤の有効性と忍容性を通常の製剤と比較して試験される予定となっている。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る