光で丸ごと造形する3Dプリンター「OpenCAL」

CTスキャンを逆転したような造形方式は、光を多方向から照射し約1~2分で立体を形成する

米国カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、光で立体を丸ごと固め、約1~2分で造形する次世代3Dプリント方式「CAL」を誰でも研究・改良できるようにするため、オープンソース3Dプリンター「OpenCAL」を公開した。

OpenCALが採用する「CAL(Computed Axial Lithography)」は、一般的な3Dプリンターのように材料を一層ずつ積み重ねる方式ではなく、回転する透明容器の中に光硬化性樹脂を入れ、計算された画像をさまざまな角度から投影。必要な場所だけに十分な光が重なると、その部分が固まり、立体物が一度に浮かび上がる仕組みだ。
CTスキャンが多方向から得た情報を使って体内の断面像を作るのに対し、CALはその考え方を逆向きに使って物体を作ると考えると分かりやすい。

UCバークレーとローレンス・リバモア国立研究所が開発したこの技術は2019年にScienceで発表され、従来は限られた研究環境で使われてきた。OpenCALでは、市販プロジェクターやRaspberry Pi 5、3Dプリント部品などを組み合わせ、2026年6月時点で約1,638ドルの部品費で構築できる。
このシステム専用のソフト「Tomo」は、STLデータから投影用画像を自動生成し、プログラミングなしでも造形準備が可能だ。さらにFormlabsが専用レジンを製造し、Prusa Researchが流通を支援することで、材料面の参入障壁も下がった。
この3Dプリント方式はレイヤーがないため積層痕が生じにくく、サポート材を必要としない点も特徴である。

一方、現段階では研究・教育用途を主眼とするシステムで、既存の高精細な光造形3Dプリンターを直ちに置き換える製品ではないが、3Dプリンターの造形原理そのものを変える可能性を示すプロジェクトだ。


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