トヨタ自動車「LEXUS LC500」のATオイルクーラーのダクトに3Dプリント部品を採用
デジタルエンジニアリング企業 SOLIZE は、トヨタ自動車が製造・販売する「LEXUS LC500」に純正オプション部品として搭載されるオートマチックトランスミッション(AT)オイルクーラーのダクトに、HP Jet Fusion製の3Dプリント製品が採用されたことを発表。国内自動車メーカーの純正オプション部品として3Dプリント製品が採用された国内初の事例となる。
image : lexus.jp
「LEXUS LC500」は、LEXUSのフラッグシップモデルで、純正オプション部品のオートマチックトランスミッション(AT)オイルクーラーを搭載することでATオイルの熱を効率よく冷却し、サーキット走行等での油温上昇を抑制でき、スムーズなシフトチェンジと快適なドライブフィールを実現する。
トヨタ自動車とSOLIZEは、初の3Dプリンターでの量産認定に向けて協力して取り組んでおり、3Dプリンターでの製造において継続的かつ安定的な物性を出し続けるマシンコントロール、造形条件出し、材料検証を繰り返し、同時に量産工場として認定を受けるため、環境整備、工程管理、人材教育の体制を構築。また、コストメリットを最大限に引き出すため、設計と造形配置の最適化に成功。自動車部品としての長期安定的な品質を担保しつつ、コストメリットを最大限に引き出し、また金型を使用しないことで、BCPを意識したサプライチェーンの問題に対しても解決できたとしている。
自動車メーカーや家電メーカーなど各種製造業は、生産期間中だけでなく廃番やモデルチェンジなどによる本体の生産終了後も、修理や交換用に補修部品を相当の期間にわたり提供するため、多数の金型の管理コストやメンテナンス工数は業界の課題の一つとなっている。3Dプリンティングを活用して最終製品を製作するデジタルマニュファクチュアリングは、柔軟な設計や顧客の需要に合わせた生産体制の実現に加え、金型の管理費用、在庫の保管、物流などに関わるコスト削減、製品ライフサイクルを通じた産業廃棄物や温室効果ガス排出量削減の効果があり、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点からも着目されている。
今回、量産となったオイルクーラーダクトの企画生産台数において、金型によるインジェクション成形と3Dプリンターで製作した場合の温室効果ガスの排出量をLCAで比較すると、3Dプリンターが37%優位という結果が得られた(SOLIZE算定)。
SOLIZEは、3Dプリンター製の部品供給を行う部品メーカーとして初めてトヨタ自動車の認定仕入先として登録された。
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