3Dプリンター廃材を再生する卓上押出機「ExtrudeX」

3Dプリンターの失敗作やサポート材を再利用する低コストの押出機「ExtrudeX」がローンチ

Creative3DPは、3Dプリント時の失敗プリント作やサポート材などの廃材を再利用し、新しいフィラメントを作ることを目的とした卓上型押出機「ExtrudeX」をKickstarterで公開した。キャンペーン開始から僅か10分で目標額に達した「ExtrudeX」は、本体の多くを3Dプリンターで出力できるDIY設計が特徴で、3Dプリント技術を活用した低コストなリサイクル環境の実現を目指している。

ExtrudeXは、FDM方式の3Dプリンターで発生する廃材を溶かし直し、再びフィラメント状に成形するための卓上型押出機である。本体構造の大部分は3Dプリンターで出力可能で、モーターやヒーター、電子部品など一部の部品のみを別途購入する仕組みとなっている。総コストは300ドル未満とされ、商用のリサイクル装置と比べて非常に低価格で構築することができる。

本機の仕組みは比較的シンプルで、不要になったPLAやPETGなどの樹脂を細かく砕き、加熱された金属チューブ内で溶かし、ノズルから糸状に押し出す。冷却ファンで固めながら一定速度で引き出すことで、3Dプリンターで使用できるフィラメントに近い形状を作る。ただし、実用的なフィラメントを作るためには「直径の安定性」が重要な課題となる。3Dプリンターはフィラメント径が一定であることを前提に動作するため、太さがばらつくと造形不良につながるため、引き出し速度の制御や直径測定など、一定の工夫が不可欠である。また、すべての廃材がそのまま再利用できるわけではない。PLAとPETGなど異なる素材が混ざると品質が大きく低下するため、同じ材料ごとに分別する必要がある。さらに、樹脂は何度も溶かすと性質が劣化することが知られており、「ExtrudeX」では新品の樹脂ペレットを混ぜて使うことが推奨されている。

ExtrudeXは、12月12日現在で1,300人超の支援者から1,400万円を超える支援を集めている。


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