3Dプリンターと和紙を組み合わせた立体作品

3Dプリンティング技術と日本古来の和紙を用いた立体造形作品「傾城傾国」

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東京を拠点に活動するクリエイティブ&エンジニア集団「INTEGRAL VISION,Inc.」のCGディレクター長内就介氏による3Dプリント立体造形作品「傾城傾国」

本作品は、先日東京で行われた「tokyo designers week 2014」北斎漫画インスパイア展にて展示された作品で、浮世絵画家「葛飾北斎」にインスパイアされた作品(作者談)。
浮世絵を立体で表現するという事をテーマに創作され、デザインされたキャラクター達を日本テイストの造形物として仕上げられています。

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作業は先ず、MayaとZBrushの3DCGソフトで造られ、データはUpPlus2プリンターで出力(材料は主にABS)。45ほどのパーツと、40本の刀パーツに分けて出力された全長43cmの造形物は、パーツを細かく分割出力したことで、大幅にコストを削減。

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出力後は、浮世絵の質感を表現するために表面にのりを塗りながら細かくちぎった和紙を貼り付けたそうです。造形直後では積層がはっきり出ていますが、表面に和紙を貼り付ける事で、積層はほとんど見えなくなっています。

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北斎の生きた時代のものを使いたいと言う意図から江戸時代(1800年頃)の本を入手し、文字が書かれていないページをキャラクターに貼り付け、文字が書かれている部分を土台の岩や周りの刀に貼り付けたそうです。見た目が古い和紙のような質感になっているのは、本当に200年前の紙を使っているからとのこと!
最後は、墨と筆を使いキャラクターの顔や模様を描き完成。

立体物に紙を貼り付けていく方法は、日本や各国にも古くからある技法のため、3Dプリンターと古い伝統的な技法はとても相性の良い組み合わせですね。

 

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