嚥下障害向け3Dプリント食品の量産開始

嚥下障害対応の3Dプリント食品「Dysphalicious」が本格量産体制へ

3Dプリント技術を活用した食品が、嚥下障害を抱える人々の食生活を大きく変えつつある。オランダの食品3Dプリント企業 Gastronology(以下 ガストロノロジー)は、咀嚼や嚥下が困難な患者向けに開発した3Dプリント食品「Dysphalicious(ディスファリシャス)」の本格量産を開始した。

ガストロノロジーは、オランダ・ポールトフリートにある食品メーカー Budelfood B.V. との連携により、2023年4月より工業規模での生産をスタート。病院や介護施設向けに提供していた同製品は、一般家庭や介護現場からの需要増を受け、オンライン注文プラットフォーム「QSTA」にて取り扱いを開始。3Dプリント食品ディスファリシャスは、20〜22個入り(1個50g)の冷凍パックで提供され、専用プレートと蓋も別売されている。

Dysphaliciousの特徴は、見た目がリアルな野菜そのものの形を再現できる点にある。材料には地元産の新鮮な野菜やジャガイモを使用し、滑らかなペースト状にした後、3Dプリントによって成形。商品は、IDDSI(国際嚥下障害食基準)レベル4に準拠しており、適度なとろみと滑らかさを両立。従来のペースト食やゲル状食品にありがちな「味気なさ」「食欲の減退」といった問題を解消し、食べる喜びを取り戻す製品として注目を集めている。
現時点で提供されているのは、カリフラワー、ブロッコリー、ニンジン、グリンピース、インゲン、サツマイモ、ジャガイモ、ビーツの8種類だが、今後は肉類を使用したメニューの追加も予定されている。

現在1日700kgの生産能力を持つ同社は、将来的に2,500kgへの増強を計画しており、より多くの嚥下障害者が自宅や施設で利用できる体制を目指している。

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