FLUX ador レビュー

創造性を広げる万能レーザー加工機「FLUX ador」の魅力

ものづくり好きな方にとって、創造性を最大限に引き出すツールは何よりも大切です。今回紹介する「FLUX ador(以下 ador)」は、彫刻、切断、カラー印刷という3つの機能を1台で実現したレーザー加工機で、さまざまな素材の加工が可能で、プロフェッショナルからホビーユースまで、あらゆるレベルのユーザー対応した多機能モデルです。
今回のレビューでは、adorの特徴や魅力についてお伝えします。

FLUX 10周年記念セール開催中

3Dプリンターやレーザー加工機を販売する 3DPS id.arts では、今回紹介する「ador」の他、FLUX社創立10周年を記念して、最大で22万円安くなる「10周年記念感謝セール」を開催しています。この機会に是非お買い求めください。

ador レビュー

画面の指示に従い簡単セッティング

他のFLUX製品と異なりadorは、本体モニターに表示される操作手順に従って手続きするだけで、初期セッティングはもちろん、後述するモジュール交換も簡単に実行することが可能です。

画面に表示された通りタッチパネルから操作

画面の操作手順に従い、標準レーザーの取付けとオートフォーカスを実行し終えたら、付属のサンプル木板を使ってテスト加工を実施。本体の基本的な設定はこれで終了するため、レーザー加工機などの使用経験の無い初心者でも簡単に手続きを終えることができます。

ユーザーフレンドリーなソフト「Beam Studio」

adorを含むFLUXシリーズ専用のソフトウェア「Beam Studio」は、直感的で使いやすいユーザーフレンドリーなインターフェースを備えたデザインツールで、初心者でも簡単に操作でき、ドラッグアンドドロップでデザインを配置、リアルタイムプレビューが可能です。Beam Studioは多様なファイルフォーマットに対応しており、他のソフトからのデータインポートもスムーズで、豊富なツールでベクターグラフィックスの作成や編集、テキスト追加ができ、レイヤー管理も簡単。プリセット機能で最適なレーザー設定を提案し、初心者でも高品質な加工が可能です。

adorとBeam Studioの連携により、デザインから加工までスムーズに行え、作業効率と品質が向上します。

用途に応じて交換可能な3種類のモジュール

1台で、彫刻、切断、カラー印刷に対応し、その多機能性と革新的なデザインで注目を集めるador最大の魅力は、必要に応じて交換可能な3種類のモジュールにあります。

モジュール交換だけで様々な加工が可能

標準装備のダイオードレーザーモジュール

adorダイオードレーザーモジュール(10Wまたは20Wから選択可)の高度なレーザー機能により、木材、アクリル、レザー、布、プラスチックなどの幅広い材料を正確に切断または彫刻することが可能で、オリジナルのアート作品やパーソナライズされたギフトを簡単に作成することができます。また、レーザーによる切断は、精密なデザインや複雑な形状を持つ部品の製造にも適しています。

ダイオードレーザーモジュールは10Wと20Wの2種類から選択可

今回のレビューに合わせ、レーザー加工用パズルが簡単に作れる「Diycuttingtemplates」を利用して、木材からパズルパーツをカッティング。焦げやすい木材は、その性質に合わせ、専用ソフトウェアBeam Studioからレーザーの強度等を簡単に調整することができます。

さらに、ダイオードレーザーモジュールに適用されたエアーアシスト機能は、木片や他の材料の焦げ跡を防ぎ、きれいな仕上がりを実現します。後述する集塵機と併用することで、屋内でも安心して使用できます。

カラー印刷モジュール

adorの印刷モジュールは、単色から鮮やかな多色までのカラー印刷が可能で、独自のカラーブレンド技術を活用し、作品の色彩表現を豊かにします。これにより、ポスター、ステッカー、Tシャツ、アートプリントなどのアイテムを簡単にカスタマイズできます。

本体モニターの指示に従いプリントを実行

カラーモジュールの高解像度な印刷品質によって、写真やイラストなどのディテールを細かく再現することができます。今回のレビューでは、木材と布へプリントテストを実施しています。

布へのプリントも高品質に仕上がる

プリントモジュールには、ador専用のCMYKインクを装着する必要があり、Beam Studioから印刷設定を済ませた後、本体モニターに表示される指示に従い、ブラック・シアン・マゼンダ・イエローの各色インクカートリッジを1色づつ装着していきます。

木材へプリント後、モジュールをダイオードレーザーに変更しレーザーカットすることで、図のような物も簡単に加工が可能。上述したパズルツールなどを併用すれば、カラープリントされたオリジナルパズルなども簡単に作成できます。

カラープリント後にレーザーカット

金属へ彫刻可能な赤外線レーザーモジュール

adorの赤外線レーザーモジュールは、金属や金属に似た素材の彫刻に特化しており、ステンレス鋼、アルミニウム、真鍮などの素材に微細な線や模様を刻み込むことが可能なため、金属製品に細かなデザインを施すことができます。

フルカラープリントのテストで使用した画像を、ステンレスプレートに彫刻。細部までキレイに再現できていることが分かります。

モジュール交換

adorのこれらのモジュールは、それぞれ異なる材料やアプリケーションに特化しており、ユーザーに幅広い用途でのレーザー加工の可能性を提供しています。各モジュールは、本体アーム上にあるヘッドに取り付けるだけの簡単操作のため、レーザー加工機初心者でも簡単に着脱が可能です。
交換時のプロセスは、以下の動画を参照してください。

 
 
 
 
 
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カラーモジュールは、一度にすべてのインクを装填できないため、色毎の交換作業に伴う手間が発生しますが、レーザー加工機のオプション機能としては印刷品質も十分で、他の加工との組み合わせにより、工夫次第で用途も広がるでしょう。

インクカートリッジの着脱も簡単

その他の特徴と機能

adorは、交換可能なモジュール以外にも、さまざまな特徴を備えています。
まずはそのワークスペースの広さ。430×300mm、奥行き30mmの作業スペースは、大きなプロジェクトにも対応可能で、内蔵オートフォーカスやHDカメラプレビューなど、使いやすさを追求した機能も充実しています。

Bemboxと比べると本体も非常にコンパクト

安全性にも配慮した、優れた本体機能

adorは、安全素材による密閉デザインを採用しており、OD5グレードの素材で視界を保護。この素材は、レーザーの透過率が0.001%未満であり、ユーザーの目をしっかりと保護します。また、万が一の緊急事態に備え、マシンの右側には緊急用の赤いボタンが設置されており、このボタンを押すことで、瞬時に電源を切り、危険を回避することができます。

さらに、加工機用集塵機「Beam Air」または「Beam Air Pro」との組み合わせにより、作業中に発生する有害な分子や臭いを効果的にブロックできます。Beam AirおよびBeam Air Proは、高性能な綿フィルタ、HEPAフィルタ、活性炭フィルタなど複数のフィルターシステムを搭載しており、微細な粒子や有害物質をしっかりと捕集します。さらに、吸気性能の高いブラシレスモーターにより、空気の循環がスムーズに行われ、作業環境を清潔に保ちます。

まとめ

ダイオードレーザーモジュール、印刷モジュール、赤外線レーザーモジュールといった交換可能な3種類のモジュールは、それぞれ異なる素材やアプリケーションに特化しており、ユーザーに幅広いレーザー加工の可能性を提供します。また、広い作業スペースや内蔵オートフォーカス、HDカメラプレビューといった使いやすさを追求した機能も魅力的であり、専用ソフトウェア「Beam Studio」は、直感的な操作でレーザー切断と彫刻を指定することが可能です。adorは、これらの特長を活かして、ユーザーの創造性を支援し、新たな創作の可能性を広げる一台と言えるでしょう。


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