ナツメヤシの種子を3Dプリントバイオ素材に変換

ナツメヤシの種子を活用した新たな3Dプリント用バイオ素材「RePit」

オマーンのデザイン集団 Nawa は、ナツメヤシの果実の種子(以下 デーツ)を再利用した3Dプリント用バイオ素材「RePit」を開発した。この素材は、石油由来のプラスチックを用いない持続可能な供給源の選択肢をまたひとつ増やした。

オマーンには700万本以上のナツメヤシの木があり、世界第8位のナツメヤシ生産国である。このため、膨大な量のナツメヤシの種子が廃棄物として扱われている。廃棄物を最小限に抑え、再生不能な資源への依存から脱却するという目標を掲げているデザイン集団Nawaは、所有する農場から排出されるナツメヤシの種子を再利用して持続可能な3Dプリント素材を生み出す研究を開始。

プロジェクトチームは、農園で収穫したナツメヤシの実から種を取り出し、それを3Dプリント可能な素材に加工するため、ナツメヤシの種を砕き、地元で採れる粘土やヤシの繊維などの他の天然素材と混ぜ合わせ、耐水性のモルタルとして使用可能な3Dプリント用建築材料「RePit」を生成した。

チームはその後、この素材で実験を重ね、CADデザインによる波状パターンを持つオリジナルタイルを3Dプリントし、焼成・施釉によって仕上げられた鮮やかな光沢を放つ持つセラミック調タイルを15点を完成させ、今年10月にオランダ・デザイン・ウィークの一環としてアイントホーフェンで開催された「Dutch Design Week」で披露された。

現在「RePit」は泥漿(スラリー)状の素材であるが、Nawaは将来的にフィラメントとして提供できるよう開発を進めている。フィラメント化が実現すれば、デーツ由来のバイオ素材がより幅広い3Dプリント製品に活用され、資源循環型のものづくりが一層促進されることが期待される。


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