- 2015-10-17
- 最新情報
- 3DPrinter, 3Dプリンター, Buccaneer, FFF, Kickstarter, クラウドファンディング
Kickstarterで大成功した3Dプリンタ『The Buccaneer』は多くの支持者を残して生産を停止
シンガポールのベンチャー企業Pirate3D社の低価格デスクトップ型3Dプリンター『The Buccaneer(バッカニア)』
当初3万円台という破格の低価格を前面に押し出し、Kickstarterで150万ドルという記録的な金額と、3千人超もの支持者(2013年6月末)を集め大成功した『The Buccaneer(バッカニア)』でしたが、とうとう機械の生産を停止しました。
同社は、2014年2月からの出荷開始予定時から度重なる遅延を重ね、2014年9月の時点で約200機を出荷した後、支援者及び小売を通じて販売された製品全体の約60%がいまだ未納品という状態が続いていました。
遅延による未納品問題だけでなく、完成品の劣悪な造形精度(機種によってかなりのバラツキが有り)なども含め、多くの支援者から集団訴訟へと発展するなど、トラブルの連続であった同社は、Kickstarterからの支援者及び公式サイトからの購入希望者を裏切る形で、完全に撃沈されました。
The Buccaneer(バッカニア)においては、予てから価格と仕様のバランスに問題があると指摘を受けていましたので、早くから懸念を抱いていた方も多かったでしょう。
今回の件について経営陣からも「不十分な計画やスキルが原因であった」と事実を認めるコメントを発表しているようです。
現在も公式サイトから本体価格$799で新規購入が可能となっていますが、同社は現在、旧モデルで失敗した原因を払しょくするため、最新技術を使用した新しいマシンの生産に必要な資金300万ドルの調達を計画をしています。
これが計画通りに運び、これまでの支援者に納得できる形で供給されると良いですが…。
Kickstarterと言えば、つい先日もレーザー髭剃り『The Skarp Laser Razor』が4百万ドル&2万人超の支持を集めながら、規約違反によって取り消し処分を受けるなど(現在はIndigogoに移行)、ネガティブな話題が目立つことも多いですが
「クラウドファンディングとはそういうモノだ」とはじめから納得の上で支援している方は、いったいどの程度いたのでしょう?
常識的に考えれば、当初Buccaneerが掲げていた金額が無謀であったのは予測できたはずです。
こういったネガティブな話題は、業界全体をシュリンクさせるキッカケになる可能性も含んでいるので、Pirate3Dには頑張って良い製品を支援者や購入者に届けて欲しいですね。
ちなみに、日本国内では株式会社ケイエヌトレーディングさんが日本総代理店として取扱いを行う予定でしたが、2015年10月現在も「※こちらの商品の販売時期は未定となっております。」というメッセージのまま販売は行われていませんので、今後の動向も不明なままでしょう。
関連記事
- Buccaneer 3Dプリンター国内販売開始
- 低価格3DプリンタBuccaneer開封の儀
- 179ドルから購入可能な小型デルタ式3Dプリンタ
- 3万円の超小型3Dプリンタ「The Micro」
- Kickstarterで大炎上した「Ring」に新モデルが登場
- いよいよ出荷開始!指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp