中国の鉄鋼大手が約1,180億円を投じてスマホやAI向け部品の量産拠点を建設、金属AMを本格産業化
中国の鉄鋼大手・敬業集団傘下の敬業未来智造は、スマートフォンやAI関連機器向けの精密部品を大規模生産するため、中国・広東省に金属3Dプリンター400台を備えた新拠点を建設する。約50億元が投じるこのプロジェクトは、中国AM市場の量産競争をさらに加速させる大型プロジェクトとなる。

豊順県政府によると、総投資額は50億元(約1,180億円)で、20本の金属粉末生産ライン、400台の金属3Dプリンター、100本のMIM(金属粉末射出成形)ラインを整備する。主な生産対象は、コンピューター、通信機器、家電などを指す「3C」分野で、折りたたみスマートフォン用ヒンジやカメラモジュールをはじめ、ロボット精密部品、AIサーバー向け液冷部品、医療機器まで展開する計画だ。全面稼働後は年間100億元(約2,370億円)の生産額と1,000人超の雇用を見込む。

今回の計画で重要なのが、敬業未来智造と中国の金属3DプリンターメーカーEPlus3Dとの関係である。EPlus3Dは2022年以降、JINGYE Additive Manufacturingへ複数の大型金属3Dプリンターを供給しており、長年の取引関係から新拠点でも同社設備が相当規模で採用される可能性を指摘している。
さらにその先にいる有力な競争相手が、中国の金属AM大手BLT(Bright Laser Technologies)だ。BLTはOPPOの折りたたみスマートフォン「Find N5」のチタン合金製ヒンジ部品を金属3Dプリンターで量産し、薄型化と高強度化を実現している。敬業未来智造も同じ折りたたみスマートフォン部品市場へ本格参入するため、EPlus3Dを軸とする量産体制はBLTへの直接的な競争圧力となる可能性がある。

従来、金属3Dプリンターは航空宇宙や医療など少量・高付加価値部品での利用が中心だった。しかし中国では、スマートフォンやAI機器のような大量生産市場への移行が急速に進んでおり、競争の焦点も、3Dプリンター単体の性能から、材料供給、量産サービス、品質管理、コストまで含めた総合力へ移りつつある。
関連記事
3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら
[mailpoet_form id=”2″
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp








