金属3Dプリンティングに資金回帰、世界で投資加速

金属3Dプリンティング市場が再加速、中国の大型調達や米欧の投資・再編が活発化

金属3Dプリンティング市場で、再び大きな資金が動き始めている。中国では金属3Dプリンター企業が大型資金調達を実施し、米国や欧州でも防衛、医療、航空宇宙分野を中心に投資や事業再編が進展。試作技術から本格的な量産技術へと成長する金属3Dプリンティングが、新たな拡大局面を迎えている。

中国の金属3Dプリンター企業 Global Laser Box(GLB)は、約2億元(約47億円)のシリーズA資金調達を実施した。資金はSLM方式の装置開発、AIを活用したソフトウェア、製造能力の拡張、海外展開などに投じる計画であり、大型産業機だけでなく、小型・低価格帯の金属3Dプリンターも展開し、従来は大企業中心だった金属造形の裾野拡大を狙う。
米国では、Radian Forge が250万ドルを調達し、ワイヤーを電気アークで溶かして大型部品を造形するWAAMの生産能力を拡大。主な対象は海軍、造船、防衛分野で、従来工法では長納期になりやすい大型金属部品を、必要な場所で短期間に生産できる体制づくりを進める。また、医療機器受託製造の Precera Medical は Additive Metal Services を買収し、金属射出成形と焼結型の金属3Dプリンティングを自社工程へ取り込んだ。

欧州では、2025年に法的整理へ入ったイタリアの BEAMIT が新体制で再建を進めており、Rainshow Industries による事業取得後、BEAMITは大型量産向け金属3Dプリンター「EOS M4 ONYX」を導入し、航空宇宙、防衛、エネルギー分野への供給力を再強化した。
Additive Manufacturing Researchによれば、2026年第2四半期の世界の3Dプリンター関連市場は44.8億ドルに達し、前年同期比12%増となった。このうち金属AM市場は18.1億ドルで、前年同期の15.9億ドルから約14%拡大している。こうした数字と相次ぐ投資案件は、金属3Dプリンティングが試作中心の技術から、量産、サプライチェーン強化、重要産業を支える生産基盤へと移行しつつあることを示している。


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