空気で音が変わる3Dプリンター製バンジョー

風船の膨らみと弦の張力で音色が変化、親子で共鳴の仕組みを体感できる3Dプリンター製バンジョー

3Dプリンターを活用した実験的なプロダクト開発に取り組むデザインプロジェクトである Co Lab は、3Dプリンターで造形した本体に身近な風船を組み合わせ、空気の量や弦の張り方によって音が変わる仕組みを、遊びながら確かめられるユニークな教材「Balloon Banjo」を開発した。

一般的なバンジョーは、弦の振動を張られた膜などに伝えることで独特の響きを生み出すが、Balloon Banjoでは、その共鳴部の役割を市販の丸い風船が担う。4本の弦を弾くと振動がブリッジを介して風船へ伝わり、風船の膜と内部の空気を含む系が振動する。風船を大きく膨らませたり空気を抜いたりすると響き方が変化し、さらに弦の張力や材質を変えれば音程や音色にも違いが生まれるため、目に見えない「共鳴」という現象を、耳と手で直感的に理解できる点が大きな特徴だ。

本体は7種類の3Dデータから計19個の部品を造形する構成で、基本となる3Dプリンター材料にはPLAを想定している。一般部品は積層ピッチ0.2mm、組み合わせ精度が重要なネジとソケットは0.16mmとするなど、必要な部分だけ精度を高める設計が採用されており、PLAでは約0.15mmのクリアランスを基準とし、PETGを使用する場合はさらに約0.05mm広げることが推奨されている。
さらに、組み立てにも工夫がある。金属ネジやドライバーを使わず、指で回せる3Dプリント製ネジを採用することで、子どもでも部品の取り付けや取り外しに参加しやすくした。また、ネックは積層方向による強度差を考慮して寝かせた状態で造形するなど、完成品だけでなく、3Dプリンターによるものづくりそのものを学べる設計となっている。

従来の楽器製作では、素材を加工しながら形状や構造を作り込む必要があるが、3Dプリンターでは寸法や部品構成をデータ上で変更し、異なる仕様を短期間で試作できる。Balloon Banjoのような知育玩具は、音響だけでなく、設計、材料、強度、組み立てといった複数のテーマを横断して学べるため、STEM教育とも相性がよい。


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