ISSの微小重力環境を活用して腎臓・肝臓組織を造形、3Dプリンターが再生医療の新たな可能性を切り拓く
米国のバイオテクノロジー企業 Auxilium Biotechnologies は、国際宇宙ステーション(ISS)内でバイオ3Dプリンター「AMP-1」を使用し、腎臓と肝臓の細胞を含む組織や、神経修復を目的とした28個のインプラントの3Dプリントに成功。宇宙の微小重力を利用して高品質な人工組織を作ることで、再生医療や創薬、将来の移植医療につながる新たな製造技術の確立を目指している。

宇宙で3Dプリントする大きな理由が微小重力である。地上では重力によって柔らかな組織が変形したり、バイオインク内の細胞や粒子が沈んだりするため、複雑な組織を均一に形成することが難しいが、ISSでは重力の影響が極めて小さく、細胞をより均一に配置できる可能性がある。

NASAも以前から宇宙でのバイオ3Dプリント研究を進めており、2023年にはISSで人間の膝半月板を造形する研究が行われた。今回の成果は、こうした宇宙での組織製造をさらに前進させるものとなる。
ただし、今回作られたのは移植可能な腎臓や肝臓そのものではなく、現段階では人工組織や組織パッチ、創薬研究などへの応用が現実的な目標となっている。

将来、3Dプリンターを使って宇宙で高品質な人工組織を製造し、地球へ戻して治療や新薬開発に利用できるようになれば、宇宙は新たな「医療製造拠点」になるかもしれない。
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