ドバイ高級ホテルに巨大な3Dプリント陶壁が登場

3Dプリント技術で制作した6メートルの大型陶製エントランスがドバイの高級ホテルに完成

コンピュテーショナルデザインとロボットによる3Dプリント技術を融合させ、建築空間に新たな美学をもたらす企業として注目を集めるオランダの建築デザイン事務所 Studio RAP は、3Dプリント技術を駆使した高さ6メートルの陶製エントランスを制作し、ドバイの高級ホテル「Jumeirah Marsa Al Arab Hotel」に設置した。「Blue Voyage」と名付けられた作品は、ペルシャ湾の波を思わせる有機的な造形で、訪れる人々を幻想的な空間へと導く。

Studio RAPは、ロッテルダムの自社工房で独自開発のクレイ押出式3Dプリンターを用いて、約900枚の陶器タイルを製作。それぞれが精密に設計され、現地で継ぎ目なく組み上げられることで、波打つような一体感のある壁面として構成されている。

この陶製壁は、高さ6メートル、幅9メートルに及ぶ2面構成で、ホテルのロビー入口に配置されており、訪れる人々が、まるで青く揺らめく波の中を進むような「旅」を体験できるという。Studio RAPは、デジタル設計と職人的な素材感の融合を重視しており、表面には釉薬を施すことで、光や角度によって異なる表情を見せる芸術作品へと昇華させている。

建築分野における3Dプリント技術の活用は急速に進んでおり、コンクリートや陶器といった大型素材でも複雑な形状を高精度で造形できるようになった。これにより、建築家はこれまで不可能だった曲線構造や自然模倣的デザインを現実の空間に取り入れることが可能となっている。同社の取り組みは、単なる施工技術を超え、デジタルと伝統工芸の融合による新たな建築表現の幕開けを示している。


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