- 2025-6-16
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1949年製の橋を最先端3Dプリント技術で修復、次世代インフラ維持の突破口となるか⁈
マサチューセッツ大学アマースト校(UMass Amherst)とマサチューセッツ工科大学(MIT)は共同で、最先端の3Dプリント技術を用いて老朽化した橋梁を修復プロジェクトを展開。次世代インフラ維持の突破口として注目されている。
修復対象となったのは、1949年に建設されたマサチューセッツ州の老朽橋「レッド・ブリッジ(旧名ブラウン・ブリッジ)」で、金属粉末を超音速で吹き付ける3Dプリント方式「Cold Spray Additive Manufacturing(冷間スプレー積層造形)」を用いて、劣化部分に新たな金属層を積層して厚みと強度を回復させている。従来は航空宇宙や海軍分野で使用されてきた手法で、橋梁修復に応用されたのは今回が初めてである。
米国では全橋梁の49%が「可」、6.8%が「劣」と評価されており、マサチューセッツ州では9%が早急な補修を必要としているが、予算の問題から修復作業が追いついていない状況にある。この3Dプリント技術の最大の利点は、交通を止めることなく補修が可能で、現実的かつ持続可能な修復手段として期待が集まっている。さらに本プロジェクトでは、3D LiDARスキャンも併用されており、損傷箇所の特定と補修計画のデジタル化が行われた。
プロジェクトを率いるUMassのシモス・ジェラシミディス准教授は「従来より速く、安価で、侵襲性の低い修復法の道が開けた」と語っている。
なお、数年後に橋が撤去される際には、補修済みの梁を回収してラボでの性能検証も予定されている。MITのジョン・ハート教授は「これは始まりにすぎません。橋の検査・補修・維持のデジタル変革がいよいよ動き出したのです」と語っている。
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