Formlabs、自動研磨装置「Fuse Blast」を発表

Formlabs、SLSプリント品を30分以内で工業品質に仕上げる自動ブラスト・研磨装置「Fuse Blast」発表

米国の3Dプリンタメーカー Formlabs は、ドイツ・フランクフルトで開催された「Formnext 2023」にて、SLS方式の3Dプリンタ「Fuse 1」で3Dプリントされた品の粉末除去、ブラスト処理、仕上げの研磨までを完全自動化し、ワンストップで行える「Fuse Blast」並びに、SLS 3Dプリントのソフトウェアアップデートを発表した。

完全密閉式キャビネットを備えた自動仕上げ装置「Fuse Blast」(写真右)

SLS3Dプリントをハードウェア、ソフトウェア両面で劇的効率化

Formlabsは、SLS方式3Dプリントの作業工程内で多大な作業負荷となっていた手作業での粉末除去作業の作業時間を80%削減し、粉末除去・ブラスト・研磨をワンストップで自動化できるSLS用仕上げ装置「Fuse Blast」を、2024年第一四半期内より販売開始することを発表。併せて、Formlabs製品の特徴の1つである、購入後のソフトウェアアップデートによる機能向上において、プリントプロセスの改善によるプリントスピードの30%高速化、造形品の機械的特性の向上などを、2023年11月更新の「PreForm v.3.33」にて実現する。

自動ブラスト処理の様子

「Fuse Blast」は、プリント後の粉末除去・再利用ステーションの「Fuse Sift」上の陰圧ブース内での粉末除去作業時間を80%削減し、大まかな粉落としを行ったSLSプリント品を自動・ワンストップで粉末の完全除去とブラストを行う自動仕上げ装置で、最短15分で最大ボリュームのSLSプリント品の粉末除去とブラストが完了する。また、別売りの「Polishing System」(2024年第二四半期発売予定)を設置することで、プラス10~15分で半光沢状態までの研磨にも対応し、SLS方式3Dプリントを活用した金型レスでの小ロット量産を劇的に効率化する。

研磨処理まで仕上げた造形品は粉っぽさが全く残らず半光沢表面に仕上がる

あらゆるサイズ、形状の造形品に対応する3つの操作モードでどんなデザインにも対応

「Fuse Blast」は、初の低価格帯での自動ブラスト・研磨装置であるだけでなく、圧縮空気で吹き飛ばされてしまうような小型品や破損の懸念がある繊細なデザインの造形品まであらゆるモデルに対応できるよう、予めプログラムされたブラストおよび研磨設定で自動運転する「オートモード」、メディアの噴射ノズルを固定して両手で高速作業が行える「マニュアルアシストモード」、噴射ノズルを手に持って行う「マニュアルモード」の3つの操作モードを用意。また、密閉キャビネット内の回転バスケットは簡単に取り外すこともでき、大型品の後処理を行う際にもバスケットが邪魔にならないよう配慮している。

ソフトウェアアップデートによる機能向上

  • プリントスピード30%高速化(Fuse 1+ 30WにてNylon 12パウダー使用時)
  • 造形品の靭性・耐久性を最大20%向上(Fuse 1+ 30WにてNylon 12パウダー使用時)
  • 精密表現度の向上(Fuse 1およびFuse 1+ 30WにてNylon 12パウダー使用時)
  • 材料使用量削減:自動レイアウトでのパッキング密度を最大15%向上(Fuse 1およびFuse 1+ 30W)
  • プリント設定、プリンタへの造形ファイルアップロード時間を50%削減(Fuse 1+ 30W/全材料)
  • プリンタ側でのプリント開始操作~運転開始までの時間を15%削減(Fuse 1+ 30W/全材料)
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