リサイクル海藻で造られた3Dプリントサーフボード

Paradoxal Surfboards、リサイクル海藻と3Dプリンティング技術から作られた革新的なサーフボードを発表

廃棄物の削減、生物由来の材料と地元で造られた材料を使用したサーフボードを開発するスタートアップ Paradoxal Surfboards の創業者であるジェレミー・ルーカス氏は、2023年9月12日から開催された欧州有数の水中ヨットショーのひとつ「Cannes Yachting Festival 2023(カンヌ・ヨット・フェスティバル)」にて、リサイクル海藻と3Dプリンティング技術から作られた革新的なサーフボードを発表した。

一般的なサーフボードの製造に使用される材料の約95%は、ポリスチレンやポリウレタン素材が使用されており、ボードの製造段階で約6キロの有害廃棄物が発生するという。また、サーフボードの製造はカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)の面でも環境に大きな影響を与えており、フォームコアだけでもサーフボードの総環境負荷の約26%を占めている。これに加え、フォームの端材はほとんど再利用されることなく廃棄されることが多い。

Paradoxal Surfboardsは、従来のサーフボード製造に使用されてきたポリウレタンフォームに別れを告げ、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、生物由来の繊維を組み合わせて大量生産部品を製造するため、藻類バイオマスの進歩に注目。この技術革新により、世界中のサーフボードの内部構造の製造に使用されているポリウレタンフォームの代替として、100%生物由来のリサイクルされた藻類を提案している。

3Dプリントされた内部のハニカム構造は、特別な設計により大きな曲げやねじれ応力がかかる部分が補強され、ボードの強度が増し、通常使用によるへこみなどからボードを保護する優れた性能を有する。

サーファーのレベルや様々な波のコンディションに対応したデザインのカスタマイズモデルに3Dプリント技術を使用することで、汚染をもたらす外国産プラスチックの使用を止め、地元で製造されたリサイクル可能で堆肥化可能な素材を使用して環境への影響を軽減することを目指している。

地球温暖化などの影響により異常発生する海藻サルガッサムと、3Dプリント技術を使用したサーフボードは、2023年末までに数量限定で発売を予定している。


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