米海軍、新型潜水艦に3Dプリンタを導入

HIIとGDEB、原子力潜水艦の重要部品を3Dプリントしリードタイムを短縮

原子力潜水艦や空母などを建造する米国の造船会社 HII の一部門で、米国内最大の民間造船所 Newport News Shipbuilding(以下 NNS)と、米国海軍向けの潜水艦を建造する General Dynamics Electric Boat(以下 GDEB)は、原子力潜水艦の造船プロセスにアディティブ・マニュファクチャリング(3Dプリント技術)を導入すると発表した。3Dプリントされた部品の使用は、艦船の建造を迅速化し、納期を短縮するための有効な手段として期待されている。

ヴァージニア級潜水艦に実装される3Dプリントされた銅-ニッケルの甲板排水管アセンブリ

HIIとGDEBは、高度なインテリジェンスと戦闘能力を備える攻撃型バージニア級潜水艦を建造するためのパートナーであり、このプロジェクトの目標は、旧攻撃型原潜ロサンゼルス級潜水艦よりも先進的な潜水艦を、より短い生産期間で設計・製造することにある。
造船で長年使われてきた伝統的な金属に代わるものとして、銅-ニッケルなどの海洋合金がその製造に導入されており、この特殊な合金である銅-ニッケルの甲板排水管アセンブリが、3Dプリントソリューションの候補として特定された。

新型バージニア級潜水艦の3Dプリンティングにおいて重要なのは、潜水艦の特定の場所から別の場所に水を移動させるためのダクトである甲板排水管であり、パートナーであるGDEBは、防衛関連サプライヤーの AMMCON と協力して様々なテストを行い、3Dプリント技術を使用した銅-ニッケルのデッキドレイン部品の製造に成功した。AMMCONは、NNSが納入するバージニア級潜水艦オクラホマ(SSN 802)へ搭載する前に、部品の最終加工と組み立て工程を担当している。

この成功は、バージニア級潜水艦の他の部品生産にも適用可能なモデルになると考えられており、高度にデジタル化されたプロセスは、海軍艦船のコスト削減と生産スケジュールの短縮につながる可能性を秘めている。


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