風力発電機ブレードをリサイクルして3Dプリント

Goldwind、風力発電機のブレードをリサイクルして3Dプリントする画期的な技術を開発

中国北京に本社を置く多国籍風力タービンメーカー Goldwind(ゴールドウインド)は、廃棄された風力発電機のブレードから出る固形廃棄物を3Dプリント技術で再利用するという画期的な方法を開発したことを発表。2040年までに風力タービンの100%リサイクルを目指すとしている。

ゴールドウインドによれば、2025年までに中国の風力タービンブレードから発生する複合材固形廃棄物は5,800トンで、2028年には74,000トンに達すると推定されており、風力タービンの固形廃棄物は、多くの業界関連企業にとって課題となっている。


輸送中の風力タービンブレード

この課題に対応するためゴールドウインドは、内モンゴル自治区の風力発電所から排出される廃棄物であるタービンブレードを粉砕し、様々な原材料比率や粉砕粒子径を調整した実験を繰り返し、タービンブレードの固形廃棄物を最大限に利用しながら、プリント製品の強度要件を満たす「黄金比率」にたどり着き、3Dプリントに適した一連の材料系を完成させた。
そしてこの新しい印刷材料で作られた完成品は、機械的特性、耐久性、作業性能において従来の建設用コンクリートと同等の性能を有しているという。

廃棄タービン ブレードから再利用された材料を使用して3Dプリントされた花壇

中国で実施されている風力発電プロジェクトの多くは遠隔地に点在しているため、リサイクル可能な材料を各地に輸送するコストがリサイクルコストの大部分を占めてしまう。しかし、固形廃棄物を再利用する3Dプリント技術は、風力発電所周辺の他の建設プロジェクトなどに向けて材料供給が可能となるため、モバイル3Dプリントロボットと共に活用することで、ブレードの固形廃棄物を地産地消することができ、長距離輸送コストを大幅に削減することができるとしている。


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