北斎から着想を得た3Dプリント内装

スペインの企業が北斎の「神奈川沖浪裏」から着想を得た内装をクウェートの日本食レストラン向けに制作

スペイン・バルセロナを拠点とする3Dプリントサービス企業 LAMÁQUINA は、クウェートの日本食レストラン「Odachi(オダチ)」のために、葛飾北斎の名画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と日本刀・大太刀の動きにインスパイアされた大型内装パネルを3Dプリンターで制作。波が時を止めたような、静謐で没入感あふれるダイニング空間が誕生した。

今回のプロジェクトを手がけた建築家セバ・オラビ氏は、日本の長大な刀「大太刀」に由来したレストラン「Odachi」の名にちなみ、インテリアデザインのテーマを北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(1831年)と大太刀が描く弧のような動きに求めた。壁面と天井を覆うパネルには、波紋が広がるような流動的な起伏が連続し、まるで水の動きを一瞬で凍らせたかのような視覚効果を生み出している。

この内装を形にしたLAMÁQUINAは、再生PETGにガラス繊維を30%混ぜ込んだ複合材料と大型ロボットアーム式3Dプリンターを使い、合計38枚のカスタムパネルを製造。パネルの中には長さ2メートルを超えるものもあり、従来の手作業や金型では難しいサイズと複雑な曲面を実現している。

各パネルの表面パターンは、人間が描いたものではなく、「反応拡散ロジック(reaction-diffusion logic)」と呼ばれるコンピューターアルゴリズムによって生成された。これは、自然界で生物の皮膚模様や葉の葉脈が形成される仕組みを数式で再現したもので、規則的すぎず、かといってランダムでもない、まるで自然に”育った”ような有機的な凹凸を生み出す。
さらに、3Dプリントの積層造形の工程でできる独特の層状テクスチャをあえてそのまま残すことで、波の立体的な揺らぎがより一層強調されている。


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