インスタリム、3Dプリント義足技術でウクライナ復興を支援する国際プロジェクト始動
3Dプリント技術を活用し、低価格・高品質な義足を開発する医療系スタートアップのインスタリムは、国際連合工業開発機関(UNIDO)が経済産業省の資金拠出のもとで実施する「ウクライナのグリーン産業復興プロジェクト」に採択された。さらに、国際協力銀行(JBIC)などから約6,000万円の資金調達も完了し、ウクライナでの義足供給支援に本格的に乗り出す。
本プロジェクトは、3Dプリント技術とAIを活用した義足・義肢装具製造ソリューションをウクライナに技術移転し、現地における義肢装具産業の育成と経済復興を図るものであり、既にインドとフィリピンで5,000本以上の3D義足提供実績を持つ同社は、両国でのノウハウを活かし、キーウやリヴィウなど主要都市に3Dプリント設備を導入。ウクライナ人技術者への研修や、義肢装具士の育成も行う。
2022年以降の戦禍でウクライナ国内の義足ニーズは急増しており、同社の独自調査によれば、民間人を含め30万人以上が義足を必要としているという。しかし、国内の義肢装具士は約300人程度で、そのうち高度な義足を製作できる専門家はわずか5人と深刻な人材不足に直面している。
本取り組みでは、質の高い義足を低コストかつ安定的に供給する自給自足型の生産体制を構築し、ウクライナの復興を足元から支える。また、今後はウクライナ国内にとどまらず、東ヨーロッパや旧CIS諸国への展開も視野に入れており、インスタリムのビジョン「必要とする全ての人が、質の高い義肢装具を手に入れることができる世界の実現」へ向けた大きな一歩となる。
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