3Dプリント宝飾市場2031年までに10億ドル規模に

SmarTech、3Dプリンティング・ジュエリー市場が2031年に10億ドルに達すると予想

アディティブ・マニュファクチャリング(AM)業界を専門に分析する米国バージニア州の市場調査会社 SmarTech Analysis(以下 SmarTech)は、3Dプリンティング・ジュエリー市場の最新レポートを発表。3Dプリント・ジュエリー分野は、2021年から2031年までの10年間の複合年間成長率(CAGR)が10%に達し、2023年の4億8900万ドル(約654億2,700万円)に対し、2031年には9億8900万ドル(約1,324億5,000万円)に達すると予測している。

ジュエリー(宝飾)は、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)の活用が熟した分野の1つであり、10年以上に渡り宝飾品分野で特定の役割を果たしてきた。具体的には、キャスタブル樹脂専用のバット光造形装置やインクジェット装置などが、間接的な製品製造に利用されており、最近では貴金属を使った商品を直接製造できるようになるなど、この分野の再成長に寄与している。例えば、メタルバインダージェッティングベンダーは、低コストの貴金属プリントを提供する意向を示しており、SmarTechによればこの流れは金属製ジュエリーの直接生産が主流になりつつあり、これまで高コストであった市場を覆しつつあることを意味するとしている。

このレポートでは、3Dプリント・ジュエリー分野の消費者と技術サイドに影響を与えるトレンドについても考察。これには、ジュエリーのパターン、モールド、ダイレクトプリントジュエリーの製造におけるポリマーおよびメタルAMの使用が含まれ、ETEC(EnvisionTEC/Desktop Metal)、3D Systems、Digital Wax Systems(DWS)、Desktop Metal、HP、Solidscape、Formlabs、EOS、GE Additive、Sismaなどの主要なAM技術と材料ベンダーをプロファイルしている。

Formlabsの鋳造用レジン「Castable Wax 40 Resin」を使用した宝飾品

また、ジュエリー3Dプリント市場のハードウェア、材料、ソフトウェア、サービスに関する10年間の包括的な予測で詳述されている調査結果の中には、ジュエリー製造におけるAMの使用は、引き続きインベストメント鋳造パターンが主流であるとしている。このことは、ジュエリー生産の規模を拡大するために、テクノロジーベンダーによる大型フォーマットのシステムの適応と最適化を推進することになる。一方、高解像度で低コストの光重合プリンターが急成長しており、間接的な宝飾品製造への参入コストの障壁が大幅に軽減されるとしている。また、メタルバインダージェッティングは、貴金属ジュエリーのダイレクト3Dプリント市場を破壊すると予想している。


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