3Dプリント銃関連の逮捕者が倍増

3Dプリント銃に関連する逮捕件数が増加

不正な銃火器の取り締まりにおいて、3Dプリント銃関連の逮捕者が年々増加し深刻化。海外メディアの調査によれば、僅か2年間で逮捕件数が3倍に増えているという。
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2013年に英国で初めて3Dプリント銃の製造容疑で逮捕者が出てから約10年。2023年の上半期だけで108件という驚くべき逮捕件数へと急増している。追跡と検出が難しい3Dプリント銃はゴーストガンとも呼ばれており、犯罪者やギャングなどの組織でも関心が急速に高まっている。しかし、シリアルナンバーなどが付かない3Dプリント銃は、犯罪行為に利用されたと発表されることは稀であり、これらの銃火器がどの程度の犯罪に関与しているかを把握するのは非常に難しい。

一般市民が銃火器を所有することを許可する法律を定めた国がある一方で、自由にデータのダウンロードとプリントが可能な3Dプリント銃の製造は、ほとんどの地域で適切なライセンスが無く、違法とされている。

2022年の3Dプリント銃関連の逮捕件数では、米国、カナダ、英国、オーストラリアが大半を占めており、全体の逮捕件数の36%、34%、10%、8%となっている。具体的な逮捕者の地理的な分布を見ると、2013年の集計開始から今日まで、北アメリカの逮捕者が166件と突出しており、次いで欧州が48件、オセアニアが24件と続く。
2023年に入ってもこの問題は解決の兆しを見せず、今年上半期だけで108件の逮捕が記録され、昨年を大幅に上回るペースで増加している。

違法な武器の製造は、3Dプリント銃に限られたものではないが、逮捕者が増加する国では3Dプリント銃の規制と取締りを強化している。一部の地域で個人が銃を製造することが合法化されてきた米国でも、3Dプリント銃に関連した法的な闘争が多数生じており、カリフォルニア州、コネチカット州、ハワイ州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州では、製造と所持に制限を課し、3Dプリント銃に対する規制を実施。ニュージャージー州とワシントン州は、3Dプリント銃にシリアル番号と背景調査の規定を法律に盛り込んでいる。

捜査で押収された3Dプリント銃の部品

一方、他の国々ではより厳格な規制が実施されている。例えばカナダ政府は、2020年に鋳型やパターンまたは3Dプリントを通じて製造される銃架を含むアサルトスタイルの銃を禁止する法律を制定。2015年には、オーストラリアのニューサウスウェールズ州で、3Dプリント銃を製造するためのファイルを所有することが違法とされた。また、米国、カナダ、オーストラリアと並ぶ3Dプリント銃関連の逮捕者が多い英国では、適切なライセンスなしに、銃(3Dプリント銃を含む)を製造することを違法としており、3Dプリント銃に対して厳しい規制を敷いている。

英国政府、3Dプリンタを使用した違法武器商人2人に合計30年の懲役

違法な3Dプリント銃関連の逮捕が増加する中、各国は銃規制を強化し対応しているが、その具体的な影響は各国の法制度や文化、技術へのアクセス方法によって大きく異なる。デジタル化が進む現代において、新たな脅威である3Dプリント銃への対策として、法執行機関の戦略と進化が求められている。


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