月や火星の土からバッテリーを3Dプリント

テキサス大学エルパソ校とNASAは月や火星の土からバッテリーを3Dプリント方法を開発

テキサス大学エルパソ校(以下 UTEP)は、NASAが主導するプロジェクトに参加し、月や火星の表層物質であるレゴリスから、再充電可能なバッテリーを製造することを目的とした3Dプリントプロセスを開発している。

同プロジェクトではUTEPの他に、ヤングスタウン州立大学(YSU)、3Dプリンタメーカーの Formlabs、火星における居住地を3Dプリントすることを目的とした「NASA Mars Dune Alpha」プロジェクトを率いる建設用3Dプリント専門企業 ICON も参加。
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このプロジェクトの長期的な目標は、ペイロードの重量とデッドボリュームを減らすことで、将来の月や火星ミッションにおける宇宙飛行士の持続可能性を最大化することにある。

市販のリチウムイオン電池は、様々な用途で見かけることができるが、月ではリチウムが乏しいため、月や火星の土壌からリチウムイオン電池を製造することは難しいが、NASA、UTEP、YSUは月と火星のレゴリスから電池材料と前駆体の抽出を特定し作業を行う予定で、既にナトリウムイオン電池の各部分(電極、電解液、集電体など)の複合樹脂原料を開発し、VPPを用いた3Dプリントに成功している。
また、NASAマーシャル宇宙飛行センターとエイムズ研究センターのチームは、異なる電池部品用の複合インクを開発し、ME3Dプリンタでプリントしており、UTEPとNASAのグレン研究センターは、完成した3Dプリントナトリウムイオン電池のコンポーネントをテストしている。

さらにUTEPとNASAの研究チームはこの研究において、月や火星で形状適合型バッテリーを製造するための2種類の3Dプリントプロセス、材料押出(ME)とバット光重合(VPP)に注目。形状適合性バッテリーは、既存の商用バッテリーを凌駕する複雑な形状のバッテリー設計が可能なため、小型宇宙船、携帯用電源装置、ロボットなどに適している。また、月や火星の居住ミッションに必要な自己持続型住宅のための大規模な電源システムとして、発電やエネルギー貯蔵施設などのインフラを開発するために、現地調達可能な資源を活用することが重要となっている。


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