米海軍、合同演習で3Dプリンタを活用

米海軍、世界最大規模の国際海軍演習において3Dプリンタを活用

米国海軍は、ハワイで開催されている環太平洋合同演習(RIMPAC)において、オーストラリアの3Dプリンターメーカー SPEE3D のコンテナ型3Dプリントシステム「XSPEE3D」や、Snowbird Technologies の「Snowbird Additive Mobile Manufacturing Technology(SAMM Tech)」ハイブリッドDED製造システムを含む3Dプリンタを配備し、演習現場における軍需品供給チェーンの確保における価値を評価している。

20フィート、10トンのコンテナに収納されたXSPEE3Dは、オーストラリア陸軍と共同で開発された3Dプリントシステムで、配備と稼働が可能な限り簡素化されている。このコンテナは、最大100g/mの速度で、最大1000mm×700mm、重量40kgの金属部品を製造する能力を有している。 

海軍中尉とXSPEE3D 3Dプリンタ

また、同じコンテナベースの「SAMM Tech」は、Meltio の金属ワイヤ指向性エネルギー堆積 (DED) 技術と FANUC 制御のCNCシステムを組み合わせたハイブリッド製造システムで、ひとつのコンテナ内で、3Dプリント、フライス加工、仕上げが可能である。
このハイブリッド製造システムは、RIMPACに参加しているサンアントニオ級ドック型輸送艦USSサマセット(LPD-25)に搭載された。

USSサマセットに積み込まれたSAMM Techコンテナ

29か国から40隻の艦船、150機の航空機、3隻の潜水艦、14の陸上部隊、25,000人の兵士が参加するRIMPACでは、サンディエゴに拠点を置く海軍情報戦センターパシフィックによる監督の元、金属およびポリマー3Dプリンタを活用して、重要な部品の配送時間を短縮することを目指している。

RIMPAC中に米海兵隊が使用したFDM方式3Dプリンタ

メーカーへ部品を発注する従来のサプライチェーンを使用した場合、部品の配送に最大200日かかることがあるが、米海軍が利用する金属3Dプリントシステムは、数時間で最大80ポンドの金属部品を製造できる。米軍は、将来的にすべての海軍艦船に金属3Dプリンタを組み込むことで、自己完結性を向上させ、本土からの部品供給を回避することができると考えている。


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