- 2022-11-28
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メイン大学、バイオベースの材料のみで造られた世界初の3Dプリント住宅「BioHome3D」を発表
米国メイン州にある州立大学メイン大学(UMaine)の先端構造・複合材料センター(ASCC)は、バイオベース材料のみで造られた世界初の3Dプリントハウスである「BioHome3D」を発表した。BioHome3Dは、米国エネルギー省の「Hub and Spoke」プログラムからの資金提供を受け、メイン大学と米国の国立研究所オークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory ORNL)が共同で開発。パートナーには、メイン州の低所得者向けに手頃な価格の住宅を提供する MaineHousing と Maine Technology Institute が含まれている。
米国とメイン州は現在、危機的なレベルの手頃な価格の住宅不足に陥っている。米国の住宅問題を解決することを目的とした非営利団体 National Low Income Housing Coalition の報告によれば、全国で700万戸以上の手頃な価格の住宅が必要とされており、メイン州だけでも2万戸の住宅が不足し、その数は毎年増加しているという。また、メイン州の低所得者層の60%近くが、収入の半分以上を住宅に費やしており、人手不足とサプライチェーンに起因する資材価格上昇という2つの課題により、事態はさらに悪化しているという。
600平方フィートの広さになる「BioHome3D」のプロトタイプは、木質繊維とバイオ樹脂を使用して、床、壁、屋根を3Dプリント。この住宅は完全にリサイクルが可能で、100%木製の断熱材とカスタマイズ可能なR値で高い断熱性を実現しており、プリントプロセスの精度の高さにより、建設廃棄物をほぼゼロにしている。
「BioHome3D」は4つのモジュールにプリントされた後、現場へ運ばれ約半日で組み立てられるため、電気工事士が1人いれば、2時間以内に電気も使えるようになる。現在のプロトタイプには、熱、環境、構造モニタリング用センサーが備えられており、今冬の間に住宅がどのように機能するかをテストし、そこで得たデータを今後の設計の改善に役立てるとしている。
住宅を3Dプリントする技術は数多く開発されているが、バイオベースの「BioHome3D」とは異なり、従来からあるコンクリートの基礎上にコンクリート材料を使ってプリントされている。ASCCのエグゼクティブディレクターであるHabib Dagher博士は、「これまでの3Dプリント住宅に屋根を設置するには、従来の木造フレームや木造トラスが使用されていますが、BioHome3Dは、床、壁、屋根を含む全体を3Dプリントしています。ここで使用されているバイオマテリアルは100%リサイクル可能なため、私たちの子孫がBioHome3Dを完全にリサイクルすることができます」と述べている。
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