山火事跡地に家を3Dプリント

カリフォルニア史上最大の被害を出した山火事跡地に3Dプリント住宅を建設

カリフォルニア州北部シャスタ郡の都市レディングは、数多くの森林火災の影響を受けており、年間100件以上の火災が発生している。2018年に同市郊外で発生した大規模な山火事「カー火災(Carr Fire)」では、レディング地区が最も大きな被害を受け、270棟の家屋が火災で失われた。また、近隣の町パラダイスでは11,000戸以上が失われ、160億米ドルの損害と85名が亡くなるといカリフォルニア州史上最大の被害を出している。

カリフォルニア州レディングに本拠を置く建設会社であり3Dプリント業者である Emergent3D は、レディング市からの資金援助を受け、デンマークの超大型建設用3Dプリンタメーカー COBOD の3Dコンストラクションプリントシステムと、世界最大のコンクリートメーカーの1つである CEMEX が共同で開発した、低コストの3Dプリントソリューション「D.Fab」を使用して、レディングにある公園「Enterprise Park」に、1200平方メートルの住宅を建設。

3ベッドルーム、2バスルームを含む3Dプリント住宅は、居住者の利便性を最大限に考慮して設計されたもので、家の裏側に面した開放的なリビングスペースには、自然光を取り入れ景色を最大限に楽しめる大きな窓が設けられている。また、家の中央には有機的なカーブを描く壁を設け、建物に視覚的な魅力と個性を加えている。

弾力性と耐久性のある3Dプリント壁から構成されるこの住宅のコンクリートコストは僅か4,687ドル(約66万円)で、約30時間でプリントされている。
Emergent3Dの創設者であるMatthew Gile氏は次のように述べている「3Dコンクリートプリンティングされた住宅は、従来の建築方法と比較して、火災に強い耐久性を提供するだけでなく、設計の可能性を広げ、低コストでより高いエネルギー効率と材料効率を実現可能にします。」


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