StratasysとDesktop Metalが合併

StratasysとDesktop Metalが合併、取引額は18億ドル

米国時間の2023年5月26日、3Dプリント業界の草分け的存在である Stratasys(以下 ストラタシス)と、量産用積層造形(AM)ソリューションのリーダーである米国の3Dプリンタメーカー Desktop Metal(以下 デスクトップメタル)は、合計18億ドル(約2,532億円)の取引で合併することを発表した。この取引により、デスクトップメタルの株主はストラタシスの普通株式を0.123株受け取り、新会社の株式の約59%はストラタシスの株主が、残りの41%はデスクトップメタルの株主が所有することになる。
両社によれば、2025年までに総額110億ドル(約1兆5,471億円)の収益を創出し、2032年までに1000億ドル(約14兆647億円)以上に達すると見込まれる市場に対応することを目指しているという。

ストラタシスは最近、イスラエルの3Dプリントエレクトロニクス企業 Nano Dimension(ナノ・ディメンション)からの買収提案を断ったことが世界的なニュースとなっていたが、一方でデスクトップメタルは、2021年を通じて続々と買収を行ってきた。今回のこの合併によりストラタシスは、EnvisionTECやExOneを含む幅広いブランドポートフォリオを手に入れることになり、デスクトップメタルが行ってきた買収や投資により、革新的なアプリケーションへアクセスできるようになる。

Dr. Yoav Zeif, Stratasys CEO

ストラタシスのCEOであるYoav Zeif博士は「今日はストラタシスの進化において重要な日である。航空宇宙、自動車、消費者製品、ヘルスケア、デンタルなどの製品オファリングにおける強力なポジション、最大かつ経験豊富なR&Dチーム、業界をリードするゴー・トゥ・マーケットのインフラストラクチャ、強固なバランスシートを備えた組織が組み合わさり、新たに合併した会社は顧客に優れたサービスを提供しながら、継続的なイノベーションを達成することに全力を尽くすだろう」と述べ、デスクトップメタルのCEO兼共同創業者であるRic Fulop氏は「これら二つの素晴らしい企業の合併は、量産向けの次世代アディティブ・マニュファクチャリング(AM)を推進する節目となるだろう」と付け加えた。

Ric Fulop. Co- founder, Chairman and CEO Desktop Metal

この取引は、両社が過去4会計年度においてR&Dに5億ドル以上を投資してきた補完的なIPポートフォリオを組み合わせたものであり、この合併により幅広い産業分野をカバーする補完的な製品と技術を有する多様なAM製造技術と、革新的なソリューションにおける多数の製品ポートフォリオと魅力的なポジションを得ると予想されている。さらに合併後の会社は、優れたグローバルマーケットへの進出能力を持ち、認識可能なブランドのための強化された市場アクセスをバックアップする一流の顧客サポート能力を持つこととなる。27,000以上の工業顧客を持つ合併会社は、業界、材料、アプリケーション全体で大規模な顧客基盤を持ち、大幅な収益を生み出すことが期待されている。

取引終了後、ストラタシスのCEOであるYoav Zeif博士はCEOとして合併会社を率い、デスクトップメタルのCEO兼共同創業者であるRic Fulop氏は取締役会会長となる。取引完了(2023年第4四半期予定)後の取締役会は11人のメンバーで構成され、そのうち5人がストラタシス、5人がデスクトップメタルによって選出され、残りの1人をCEOのZeif博士が務める。


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