Steakholder Foods、3Dプリント代替肉を米国市場に投入

ステーキホルダーフーズ、植物由来の3Dプリント代替肉製品を米国市場へ投入

先進的な3Dバイオプリンティング技術を用いた培養肉製品を開発するイスラエルのフードテック企業 Steakholder Foods(以下 ステーキホルダー・フーズ)は、3Dプリントするために設計された植物由来のステーキ「SHMeat」と、植物由来の魚「SHFish」と呼ばれる2つの製品を米国市場に投入する。

3Dプリントされた植物由来のステーキ肉

SHMeatとSHFishは同社の主力製品であり、伝統的な肉と魚の味と食感を再現する。この製品に使用されているすべての原材料はすでに米国での使用が承認されており、米国食品医薬品局(FDA)による食品への使用に対する安全性を示す「GRAS(Generally Recognized as Safe)」ステータスを取得しているという。

ステーキホルダー・フーズの3Dプリント食品は、肉や魚の食感を模倣するために2種類の3Dプリンティング技術を使用している。そのうちのひとつ、ドロップ・ロケーション・イン・スペース(DLS)は、魚介類の生産に活用され、繊細な食感を生み出す。一方、溶融ペースト積層法(FPL)は食肉を製造し、その繊維状の食感を再現するために使用される。これらの技術は、既存の伝統的な食品工場に統合できるように設計されており、機器メーカー、食品業界、研究機関、公衆衛生当局からなる非営利コンソーシアムである欧州衛生工学・設計グループ(EHEDG)によって概説された最も厳しい食品安全基準を遵守しながら、業界の要求規模に合わせて製造されている。

連続生産に対応した3Dフードプリンター

3Dプリントされた食品に関する規制の状況はまだ発展途上であり、企業はFDAのような規制当局と積極的に協力し、製品の商業化を開始する前にコンプライアンスと安全基準が満たされていることを確認している。米国の代替食肉業界では、規制当局による承認に一定の進展が見られ、特にイート・ジャスト(Eat Just)による実験室育ちの鶏肉とアップサイド・フーズ(Upside Foods)の培養食肉がFDAに承認された。これらの認可は、代替食肉産業における新製品へのアメリカ市場の潜在的なシフトを意味する一方で、多くの人々が実験室で育った食肉の持続可能性について懸念を表明している。しかし、持続可能で倫理的な食の選択肢に対する需要が高まっていることは間違いなく、植物由来のものを含む代替食肉への関心が高まっている。このため、代替食肉業界の新興企業は、イノベーションを加速させ、3Dプリントされた植物性食肉やその他の代替選択肢を市場に投入するため、食品テクノロジー企業、研究機関、規制機関との提携や協力に乗り出している。

3Dプリントされた植物由来の魚肉

米国では、代替食肉用の3Dプリンティング技術への関心と投資が大幅に増加しており、いくつかのスタートアップ企業や既存企業が、ユニークな食感や風味を持つ植物由来の食肉を生産するため、3Dプリント食品について模索している。この分野は、3Dプリンティング技術の進歩により、従来の食肉と同じような見た目や食感を持つ複雑な構造や食感を作り出すことがより現実的になっている。

今のところステーキホルダー・フーズは、食品安全近代化法(FSMA)、適正製造規範(cGMP)、その他コンサルタントが推奨する必要な規制など、規制基準に沿った製造工程を確保することに専念している。同社は今後、米国市場に本格的に参入するにあたり、従来の生産者だけでなく植物由来の肉・魚セクターの企業との提携を積極的に模索しており、自社製品の多様化と強化を目指している。

さまざまな嗜好に対応するためステーキホルダー・フーズは、今後さらに、SHMeat Beef Asado、SHMeat Beef Tenderloin、SHMeat Beef Flank、SHMeat Chicken Fillet、SHFish Salmonなどのブレンドを開発中であることも明らかにした。

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