- 2014-8-15
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従来価格を大きく下回るSLS方式の3DプリンターIce1 & Ice9が、Kickstarterでスタートアップ
以前、「2014年2月SLS特許期限切れで3Dプリンターに新たな波は来る?!」という記事にて、SLS方式プリンターの今後についてご案内しましたが、いよいよ本格的な低価格SLS方式3Dプリンターがリリースされました。
2014年8月18日にKickstarterでスタートアップする「Ice9とIce1」は、英国に本社を置く Norge Systems によって開発されたSLS(Selective Laser Sintering)/粉末焼結方式の3Dプリンター。
同社からリリースされる小型&低価格のSLS方式プリンターは、2014年8月18日よりキックスターターでスタートアップし、2015年第三四半期に市場へ投入予定。
現在はナイロン系(ポリアミド)粉末のみの対応ですが、2016年前半までには金属系素材にへの対応を進める予定のようです。
やや大きめのIce9は、造形領域300mm×300mm×450mm(Z軸)と、ヘルメット一つをまるまる造形出来る程度の作業領域を要する造形機。
一方、デスクトップタイプのIce1は、造形領域200mm×200mm×250mm(Z軸)と、小ぶりな筐体ながら十分な造形ボリュームを要する小型SLSプリンターです。
従来の工業系SLS方式造形機と比較すると相当低価格なプリンターですが、製品の内容や大きさを考えると、Kickstarter時の日本への対応は難しそうですね。
例え予定通り市場投入されても、保守メンテが重要なSLS方式に、日本国内の中小代理店さんで対応できるのか?どこまで安定した運用ができるのか?と、気になることもたたあります。
以前の記事(こちら)でも課題をお伝えし通り、粉末系は造形工程を含め、材料の管理がとても難しいモノです。空調の整っていない環境では、細かく舞った粉末材料による粉塵爆発が起きる可能性も0ではありません。
材料の吸引による健康被害などの問題もありますし、キチンとした空調や専用装置を持たない一般的なオフィスに、気軽に「ポン」と置いておいて大丈夫な機械ではありません。この辺りの対応は、本国ではどうなさっているのでしょう?
8月18日以降の情報に注目していきたいですね。
Ice9 & Ice1 SLS 3Dプリンターの特徴
同シリーズは、ナイロン(ポリアミド)系材料をプリントするために開発された低価格SLS方式3Dプリンターですが、高度なレーザー彫刻/カッター機能を備えています。木材、紙、発泡系素材、フェルトなどの材料をカットすることが可能です。
Ice9の主な特徴
本体予定価格:34,000ドル+税
- SLS 3D Printer with 40W tube laser
- Works with polyamide or nylon powder
- 30x30x45cm build volume
- Arduino 2 powered controller
- Multifunction display for quick operations
- USB port
- SD card reader
- Sleek design, solid rock build, UK assembled
- Navigator software for sending prints to the machine
Ice9の仕様
- Printer size: 1500x1025x410mm
- Layer thickness: 0.1 – 0.15mm
- Average print speed: 10 to 30mm/hour
- Powder feeding mode: Two-way powder feed system Scanning system: Theta lens focusing, high-accuracy magnetic encoder
- Scan speed during build process: up to 4 m/s
- Laser power control system: PWM Digital signal
- Power Supply: 230VAC,50/60Hz,5KVA
- Software: Manual and automatic control mode; Real-time build parameters modification; Three-dimensional Visualization; Open Source Platforms
Ice1の特徴
本体予定価格:13,000ドル+税
Ice1の仕様
- Printer size: 900x300x350mm
- Layer thickness: 0.1 – 0.15mm
- Average print speed: 8 to 25mm/hour
- Powder feeding mode: Two-way powder feed system
- Scanning system: Theta lens focusing, high-accuracy magnetic encoder
- Scan speed during build process: up to 3 m/s Laser power control system: PWM Digital signal
- Power Supply: 230VAC,50/60Hz,5KVA
- Software: Manual and automatic control mode; Real-time build parameters modification; Three-dimensional Visualization; Open Source Platforms
今後、類似した低価格SLS方式プリンターが多数リリースされると思いますが、材料管理方法なども含め、より使い勝手のよい機器が登場すると良いですね。
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