陸上自衛隊、民間の3Dプリンティング技術活用に向けた実態調査を実施
現在、陸上自衛隊では、民間企業が保有する3Dプリンターや3Dプリント技術を、防衛装備品や部品の試作・製造、さらには3D設計業務に活用できないか検討している。本調査はその一環として、すでに3Dプリント技術を用いた試作や製造を受託している企業の現状を把握し、将来的な委託製造の可能性を探ることを目的としている。

本アンケートへの回答は、現時点で契約や業務委託を約束するものではなく、あくまで可能性を探るための調査であるが、回答内容に応じて、今後個別のヒアリングや委託製造に関する相談が行われる可能性はある。「興味がある」「条件次第で検討できる」「特定の部品や素材なら対応可能」といった段階での回答も歓迎されており、参加のハードルは高くない。
アンケートでは、具体的な部品例を挙げた製造可否に関する質問も含まれている。中には一般的に3Dプリンターで製造する必要がなさそうな部品も含まれるが、あくまで例示であり、実際に委託される防衛装備品とは異なる可能性があるため、深く考えすぎず、現状での対応可否を率直に回答して問題ない。

背景には、この10年で日本の防衛費が約2倍に拡大し、防衛産業全体が活況を呈している現状がある。従来は重工業メーカーが中心だった防衛分野だが、近年は参入障壁が下がり、ベンチャー企業やドローン、遠隔操作ロボットといった分野で、3Dプリント技術を活用した製品への期待が高まっている。こうした状況を受け、防衛省は日本AM協会などを通じて、3Dプリンターとその周辺技術を活用できる国内民間企業の実態調査を進めている。今回の調査もその一環であり、回答によって直ちにビジネスが発生するわけではないが、将来的な連携の可能性を広げる第一歩となる。また、本アンケートは自社だけでなく、関係企業や顧客、同業他社など、該当しそうな企業にURLを共有することも認められており、門戸の広さも特徴だ。3Dプリンターや3Dプリント技術を活用した製造や設計に関わる企業にとって、防衛分野への関与を検討する貴重な機会といえる。
なお、本アンケートで得られた情報は、今回の調査目的以外に使用されることはなく、氏名やメールアドレスなどの個人情報も、入力しない限り自動取得されることはない。
アンケートの回答締切は2025年12月25日(木)
回答フォームURL:https://tinyurl.com/2ax3rt6o
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