酢酸セルロースを用いた3Dプリントインテリア

積彩、ほぼ木からできたサスティナブルな透明素材「酢酸セルロース」を用いた3Dプリント・インテリアを発表

3Dプリンティングを専門とするデザイン事務所積彩は、ダイセルが開発した木材由来の酢酸セルロース樹脂「CAFBLO®」を活用した3Dプリント・インテリアをデザイン。
2023年10月4日から幕張メッセで開催されている高機能素材Week 東京展で作品を展示した。

今回積彩が目指したのは、サスティナブルを前提としつつ、いかにデザイン的な付加価値を加えることができるかどうかという点で、ダイセルが開発した酢酸セルロース素材「CAFBLO®」は、天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材であることに加え、ガラスのような高透明度を特徴としている。積彩はこの美しさを活かし「ガラスの工芸品」のようなラグジュアリーなインテリアをデザイン。ガラスのような質感を持ちつつ、ガラスの欠点である割れやすさを回避した製品は、空間を彩るための新しい選択肢として期待される。

酢酸セルロース素材「CAFBLO®」について

酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される、天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材で、使用後の酢酸セルロースは、最終的に水と二酸化炭素に生分解される。また、非可食性の素材を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えない。ダイセルは、長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見いだし、従来製品の品質を保ったまま、特に海洋での生分解速度をさらに高めた新製品「CAFBLO」を開発した。 

大型3Dプリンタを用いたプリントの様子

3Dプリントによるデザイン

今回制作されたインテリアは、全て3Dプリントによって作られている。切削や射出成形と異なり、必要な分だけ材料を積み上げていく3Dプリント製造は、モノづくりにおいてゴミが出づらいため、サスティナブルな製造方式として注目を集めている。さらに積彩は、3Dプリントでしかできないような意匠表現を探求し、今回のインテリアのような「美しさ」が先立つサスティナブルなモノづくり社会の実現を目指している。

積彩によってデザインされた作品は、テーブル、スツール、デスクライトの3種類で、それぞれ編み込みのテクスチャとグラデーションの色彩が特徴となっている。


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