包装廃棄物を3Dプリント材料にリサイクル

家庭ごみとして廃棄されるプラスチック包装材を高品質な3Dプリント素材へとリサイクル

欧州最大の応用研究機関であるドイツの Fraunhofer-Gesellschaft(フラウンホーファー研究機構)の製造技術・先端材料研究所(以下 IFAM)とドイツの国公立大学 City University of Applied Sciences(ブレーメン応用科学大学 以下HSB)は、家庭ゴミとして廃棄されるプラスチック包装材を99.8%の純度で再生し、3Dプリンタで利用できる高品質素材へと生まれ変わらせる技術を開発した。

ドイツでは、年間約560万トンものプラスチック包装ごみが家庭ごみとして廃棄されているが、現在リサイクルされているのはそのわずか3割程度に留まっている。特に家庭ごみ由来のプラスチックは、異なる種類の素材が混ざり汚れていることから、リサイクルが難しいとされてきた。
こうした課題に取り組むため、IFAMとHSBは共同で、家庭から排出されるプラスチック包装ごみを3Dプリント技術に活用するための研究を進めた。

研究では、包装ごみの中でも特に多く利用されている「ポリプロピレン」に着目し、分別施設で回収されたポリプロピレンを細かく粉砕・洗浄し、異物を除去した上で、粒の大きさを均一に整えた。この工程では、「浮沈分離」や「近赤外線センサー」による異物検出など、複数の技術を駆使し、最終的に99.8%以上の純度を達成した。
さらに、回収されたポリプロピレンを200度以上で溶かし、均質なプラスチック素材(3Dプリンタ用フィラメント)として成形。このフィラメントを使用して、キャップなどの試作品を製作することに成功した。

有機副産物からリサイクルされたフィラメント『ReForm Organic rPLA

今回の研究は、3Dプリント技術と資源循環の可能性を広げる大きな一歩であり、今後は、素材の強度や用途をさらに高めるため、ガラス繊維などの添加剤を加える試みも検討されている。

EUでは、2030年までにプラスチック包装材の10~35%をリサイクル素材で構成することが義務付けられるなど、規制強化の動きも進んでおり、本技術への関心は今後ますます高まるだろう。この技術が実用化すれば、自動車部品や航空機部品など、より高性能な製品への応用も期待される。


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