デニム廃材を3Dプリント材料に再生

デニム廃材を細かい繊維にし再生TPUと混ぜた3Dプリント可能なハイブリッド素材

3Dプリント・ファッションの先駆者として世界的に知られるイスラエル出身のデザイナー Danit Peleg(ダニット・ペレグ)は、廃棄デニムを細かい繊維にし、再生TPUと混ぜ合わせて3Dプリント可能な新素材を開発している。この取り組みは、ミラノで開催されたデニム専門展示会「Denim Première Vision」でも紹介され、持続可能なファッションへの新しいアプローチとして大きな関心を集めている。

イタリアのデニム工場「PureDenim」から出るデニム廃材を細かい繊維に粉砕し、再生TPUと混合して作られる3Dプリント用ペレット素材は大判造形が可能で、大型の3Dプリンター「Ginger Additive」を用いた試験では、70×70cmの3Dプリント生地をわずか30分で作成した。

廃棄材料の再生技術として注目される一方、この素材について「天然繊維(コットン)とTPUを混ぜると再リサイクルが難しくなる」という批判も寄せられている。ペレグ氏は「再リサイクルは可能だと考えている」と回答しているが、業界内では賛否が分かれている。しかしながら、複雑な衣服パーツや立体的な布構造を3Dプリンターで直接製造できる可能性に期待する声も多い。

本取り組みは、ファッション産業が抱える大量廃棄問題に対し、3Dプリンターで素材そのものを再設計するというアプローチを示しており、サステナブルテキスタイルの未来を切り開く可能性がある。


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